ウルフ・オブ・ウォールストリート

The Wolf of Wall Street
実在したブローカー、ジョーダン・ベルフォードの自伝「ウォール街狂乱日記」の映画化。若くして億万長者になってその後逮捕されるまでの酒とドラッグとセックスの狂乱絵巻。
ウルフ・オブ・ウォールストリート

ジョーダン・ベルフォードという人は80〜90年代のウォール街でのし上がり「狼」と呼ばれた実在の人で、20代で会社を設立して天才的セールストークで大成功、会社を大きくして自分も億万長者となって大暴れ、それから間もなく30代で悪徳がいろいろバレて逮捕され、獄中で知り合った人に「自伝書けば」と薦められて書いた本が「ウォール街狂乱日記」だそうです。
この本がまた馬鹿売れして、映画化権を手に入れようとディカプリオとブラッド・ピットが競り合っていたのだとか。最終的にはディカプリオが権利を手に入れマーティン・スコセッシが監督、このような映画となりました。

「ウルフ・オブ・ウォールストリート」なんていうタイトルですから金融の内幕ものとかあるいは金融プロがのし上がり転落する「コズモポリス」みたいな系統のお話かと思ったらそうではなく、これはもうほとんど気違いの話でした。ドラッグと酒とセックスと金です。連日の大騒ぎと饒舌と破天荒の狂人世界、ジョーダン・ベルフォードとその仲間たちの白日夢、もうね、べらぼうに面白いです。

テリー・ギリアムの「ラスベガスをやっつけろ」というド級の傑作映画がありますが、まあ、それに近い映画と言って差し障りないほどです。「ラスベガスをやっつけろ」ではジョニー・デップが発狂のラリラリへろへろでしたが、「ウルフ・オブ・ウォールストリート」のディカプリオもなかなか負けてはいません。ガンガンにラリラリでへろへろです。レオナルド・ディカプリオ、乗りに乗ってます。冴え渡ってます。

マーティン・スコセッシはいろいろとディカプリオと組んで面白い映画を作っていますが、私の好みで言うとこの「ウルフ・オブ・ウォールストリート」が最高の出来映え。ディカプリオも凄いが監督も凄い。監督凄いです。

マーティン・スコセッシと言えば少し前に娘に宛てた書簡が公開されて、これ何度も読んで泣きました。
マーティン・スコセッシが娘に書いた公開手紙全文翻訳 ー 「映画の未来は明るい」
原文:Martin Scorsese A Letter to my Daughter | L’Espresso

この手紙を書いたマーティン・スコセッシが作った最新作がドラッグと酒と金とファックにまみれた壮絶ラリリ映画とはさすがです!師匠!カッコいいです!

まあ、その、この映画に関してはあそこが面白かったここが良かったなどと言い始めたらキリがないので具体的なシーンについては言いたいですがやめておきます。とにかくここまでハイテンションでぶっ飛んだ映画を巨匠と呼ばれる監督と大スターがやってのけて、普通に大きな劇場に掛けられる大ヒット作品にしたというのは快挙というしかありません。メジャー映画界近年希なる大傑作と言ってのけます。
さすがに大メジャー級の映画ですからただのラリパッパ映画ではなく、中には鋭いドラマやある程度の泣かせなんかもきっちり盛り込んでますし、多方向に楽しめますよ。
同時期に「ゼロ・グラビティ」もやっていましたが、いろんな意味で正反対、どっちもいい映画でどっちも好きです。が、「傑作!大傑作!」と、より声を大にしてアッパーに褒めちぎるのはどうしてもこっちになってしまうのかもしれません。

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