サンキュー・スモーキング

Thank You for Smoking
煙草業界の広報部長、エリートでヤッピーのニック・ネイラーのお話。
サンキュー・スモーキング

軽妙でテンポ良く進むお手軽ドラマ。特に煙草についてややこしい話が出てくるわけでもなく、詭弁がぽんぽん飛び出すかというとそういうわけでもなく、主人公は普通に真っ当な話をするだけです。原作があるそうで、どのような原作かは知らないのですが、この映画は煙草に関する映画というよりも軽い「父と子」の物語であると言えます。
世間からは嫌われていてしかも口先だけに見える父親、実際の仕事ぶりを見て、子がどう感じ、どう成長していくのか、そういうところが見どころの映画です。なかなか、いい子ですよ。うん。父さん嬉しくなっちゃう。

アメリカの一部世界では煙草の扱いが大変面白く「煙草による大量虐殺」を多くの人が信じていて、しかもそれを前提にしていたりするんですね。そういう風潮もさらりと風刺しています。「今どき煙草を吸うのは変質者とヨーロッパ人ぐらいだ」とか「銃による死者はたったの1万人、煙草の数十万人の死者に比べたら何でもない」とか、ニコチンパッチを貼りすぎたら命の危険があるとか、「警告文の表示は英語が読めないアメリカ人を見殺しにする行為」とか、わりと笑えます。アメリカ人としての自虐ギャグですね。原作者やこの映画を作った人たちの心意気を少し感じます。

テレビドラマ(いい意味で)を見るような軽い気持ちで楽しめる映画でした。欲を言えば、映画内で煙草を旨そうに吸うシーンが欲しかったですね。慎重に避けていました。制作陣、日和ったな。

知識のデバイドっていうかなんというか

DVDには吹き替えというものが入っていて、この作品のような饒舌系はどういう吹き替えをしてるのかな、と興味本位で少しだけ見てみた。
アメリカがどう面白いかの話で、字幕では「途上国から搾取するのが上手い。犯罪者を死刑にする」と否定的な話をしているのに吹き替えでは「工場を建てて儲けるのが上手い、悪党を処罰する」と褒める話に変わっていた。
こんなところでアメリカ様によいしょしなくてもいいのにね。

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