オープン・ウォーター 第3の恐怖

La piel azul
ヨットの若者たちが海に飛び込みますが梯子をかけるのを忘れていて船に戻れません。海の事故を描いた「オープン・ウォーター」と関係ないけどよく似た設定のスペイン産ぱちもんオープン・ウォーター。
オープン・ウォーター 第3の恐怖

「オープン・ウォーター」には個人的な思い出があります。

映画部馬鹿夫婦が前日に朝まで飲んでてぐでんぐでんの二日酔い状態のまま偉い方が招待してくださったコンサートホールに出向きクラシック音楽を堪能して赤ら顔のまま紳士淑女のふりを完遂した後、まだふらふらするので「そうだオープン・ウォーターを観よう、船酔いするような映画らしいぞ」と酔った勢いのまま最前列で超堪能、揺れてるのが映画なのか自分なのか世界なのかまるでわからないまま恐怖の時間を過ごして「オープン・ウォーター、おもろかったなあ怖かったなあ」と好印象だけが残りました。

時は流れ「オープン・ウォーター」がシリーズになっていると知ったのは随分あと、「スペイン一家監禁事件」を観て少女役のマヌエラ・ベイェスに注目し、この子が「オープン・ウォーター3」に出てると知ったときでした。
それで、またさらに時は流れ、焼き肉食べてビール飲んで機嫌良く帰ってきて、機嫌がいいので軽いホラーかスペイン映画を観ようってなって、気になって仕入れていた「オープン・ウォーター 第3の恐怖」を観ることになりました。

お話はこうです。
ヨットの若者が調子に乗って海に飛び込みますが梯子をかけ忘れ「オープン・ウォーター」みたいになります。しかし途中で意外な展開となり、サスペンス劇場に変化します。

ポイントは一人アホがおって、こいつがことごとく事を悪いほうに持って行くところです。このアホが何かするたびに「またお前かっ」と憤ります。
もう一つポイントは後半の展開の中で見せるヒューマニズムドラマの部分です。アクションサスペンス映画みたいな展開ですが実はそうではなく寧ろ「ブラックジャック」的な物語です。この状態で人を助ける彼らの苦悩や、それを知ってる優しい女の子も、辛い奥さんも、「どちらも、さぞかし怖かったろう、辛かったろう」と、私どもはこの細やかな(部分もある)ドラマをきちんと楽しめました。

そんなわけで見終わった感想は、おもしろかったーっ。二本分楽しめたー。でした。
前半のオープン・ウォーター的な部分も、後半の辛い話も両方存分に堪能しましたよ。

世の中複雑です。見終わって面白かったからウキウキ気分で少し検索してみたんですよ。そしたらね、この映画の感想、みんなボロクソなんです。
何ででしょう。こんなに面白いのに。何が気に入らないのでしょう。

あまりにも不評なので、他のシリーズはどうなんだろうと思ったらですね、そこで初めて知りました。
「オープン・ウォーター 2」っていうのがありましてね、イントロダクションこんなんでした。
「ヨットの若者たちが海に飛び込みますが梯子をかけるのを忘れていて船に戻れません」
あれれれーっ。
こりゃいったい何事ざますか。

本作「オープン・ウォーター 第3の恐怖」の前半は「オープン・ウォーター2」の丸パクリだったわけですか。そうした上で、後半に全然関係ない話をくっつけたと。
なるほど、その認識で観ていたら印象悪くなっても責められませんね。

でもそんなことつゆ知らず、我々はずいぶん楽しみました。密入国の家族にも感情移入できたし。ひとりおるアホを除いてはみんなを応援する気持ちでした。
あ。そういえば、最初の目的であったマヌエラ・ベイェスですが、病気を患ってる役で、地味でちょっと変な扱いでした。あれはちょっとどうかなと思ったんですが。
あ。そういえば、最初の死体発見とか、都合よく現れすぎる船とか、細かくはいい加減なところもありました。
と、そんなこんなで特にお勧めすることもない普通の作品ですが、でもやっぱり凄く面白かったのはほんとです。
「2を知らなくて良かったな」「ほんとによかった」と調べ終わったあとも映画部内はとても平穏でした。

自称「オープン・ウォーター」シリーズは「第3の恐怖」の他にも「サバイバル」だの「シンドローム」だの「サスペクト」だの「赤い珊瑚礁」だのあって、何が何やらさっぱりわかりません。ドイツ、ベルギー、オーストラリアなどいろんな国でオープン・ウォーターもどきを作ってる模様です。なんかちょっと見てみたい気もしてきますが・・・

あ、あとこの「第3の恐怖」はテレビ映画だったようですね。へえ。だとすればかなり上出来ではないでしょうか。

結論としては、スペイン映画に未だ外れなしです。

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