マーシュランド

La isla mínima
マーシュランド

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完全ネタバレ系の2ページ目です。1ページ目はこっちです。ここからは映画を見終えた人限定でお読みください。

「マーシュランド」が映画全体でミスリードした点に見終わった後気づきます。
まずわかりやすいのは拷問に関する事柄です。最初から少女はレイプされ拷問され殺されています。ロリコン、レイプ、拷問という三つのキーワードですが、これを三つと思わないようミスリードされます。ずっと見ているとロリコンとレイプに関してはおぼろげながら説明がついてきます。それで拷問まで含めて納得してしまいそうになりますが、ラスト近くで気づかされますね。拷問は誰がやったのかという点をです。
「マーシュランド」における驚愕の真相部分になるかと思います。
さらに拷問という事柄自体が、フランコ政権時代からの負の継承であり、その負の継承がマーシュランドで脈々と生きているということにまた改めて思い知らされるという、そういう結末です。

二人の刑事についての情報が最初からコントロールされていたって点に改めて思い当たります。ペドロは確かに最近マドリードから来たばっかりでした。フアンは?フアンに関しては映画的ミスリードと罠のオンパレードでした。マドリードからいつ来たのか、と考え始めると恐ろしいことになってきます。薬の件や、ペドロと何となく親密になってくる関係なんかですっかり嵌められます。結局、フアンという人間はどうなのか、どうなんですか、どうなんでしょう。それはもうだれにもわかりません。

ラストで見せるペドロの不信感に満ちたあの顔、あの表情はもう映画を見る人にもこびりつきますね。

時代に取り残され貧困に埋もれた湿地帯の田舎町、ここではフランコ政権時代の生々しい傷跡も残り、民主主義なんてまだ早いんだというあきらめもあり、とはいえ着々と進んでいくスペインの歴史というものがあり、首都はすでに未来を手に入れており、片やこちらでは少女が殺され、拷問担当の男は病んでいます。道は砂煙を上げ、密猟者が鍋料理を作り、憲兵はえらそうで麻薬密売の古くさいギャング団ものさばっています。でも良きにしろ悪しきにしろ確かに一時期にあったし美しい景色も広がる湿地帯の小さな街です。

「殺人の追憶」で書いたことをわずかの改変でそのまま書きたくなります。

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