タブロイド

Crónicas
タブロイド

エクアドルでの子供ばかりを狙う猟奇殺人事件を追うテレビレポーターの思惑。社会派サスペンス。見応えあり。

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濁った水面から突如ぬぼぼーと顔を出すおじさん。うわびっくりした。誰?誰なの?と、冒頭から思わず前のめりになる鋭いオープニングシーンです。

さて、ここエクアドルでは通称モンスターと呼ばれる、子供をレイプして殺すという変態犯罪者が話題になっていて、被害者は増え、犯人は捕まっていません。
冒頭その2は被害者の葬式の場面へと移っております。
ワイドショーのレポーターが人の悲しみをものともせずレポートしております。このレポーターが主人公マノロです。
被害者の子のお友達の子供がいて、冒頭のおじさんはこのお友達の子の父親のようですね。トラックで通りかかります。「よう息子。乗れ」そんな感じです。
さてこちらお葬式では、傲慢なテレビレポーターのうざい質問が元で駆け出す生き残った被害者の双子の兄弟。人がたくさんいます。ごちゃごちゃしていますね。あ、あぶない。

こんな感じで物語は始まります。強烈で印象的な冒頭です。この作品ただものじゃないなとわかります。

テレビレポーターは微罪あるいは冤罪で拘束されたと言う容疑者とのコンタクトを独自に取り始めます。
冤罪であることをテレビで言ってほしい容疑者は「じつはモンスターの情報を知っている」というエサでレポーターを釣るわけです。 レポーターは釣られていることを承知の上で面白い話を聞き出そうといろいろと取り引きに応じたり宥めたりスカしたり騙したりするんですね。駆け引きが行われます。

このレポーターの描き方が単純ではなくて、プライド、正義感、人気に天狗、傲慢、仕事に身体を張る、自信、不安、というように多面的に捉えてます。
脚本も多面的で、冤罪か犯人かみたいな普通のサスペンスとはちょっと違っています。緊張感のある映像もなかなかに見事。

見終わった後に重苦しい余韻が残ります。
ちょっとしたサスペンスかなあ。エクアドル感が楽しめればいいかな。なんて舐めて見始めたんですが、いい意味で強烈に裏切られました。
個人的に、ラテンやメキシコ映画が大好きでありますので、多少は贔屓目に見ているかもしれませんが、多分そういうのを差し引いてもかなりの出来映えだと思います。

DVDにはオマケで別エンディングが収録されています。こっちもまあ強烈だこと。テーマがより強調されてますが強烈すぎるし、またある意味単純にすぎるという判断から本編のエンディングが選択されたのだろうと思われます。その選択は正しい。

2010.03.25

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