ヴィジョン 暗闇の来訪者

Visions
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公開年:
2015
製作国:
監督:
製作:
製作総指揮:
脚本:
撮影:
音楽:
美術:
  • メラニー・ジョーンズ
編集:
主演:
出演:

交通事故のPTSDから立ち直っていない妊婦さんが旦那と共に葡萄畑でワインを作ろうと田舎に越してきます。のどかないいところに見えますが奥さんはちょっと不安です。一人で家にいますと妙な物音を聞いたり人の気配を感じたり恐怖を体験します。

ヴィジョン 暗闇の来訪者

「ヴィジョン」というこの映画はホラー映画ですがミステリーでもあります。若奥さんは妊娠中でPTSDも患っていて不安で怖くてその上お化けじみたものを見てしまったりします。それがいったい何なのかという謎も引っ張ります。

あたしが見ているのは幻覚?幽霊?いずれにしても怖くてたまんないわ。ということです。単にお化け、単に幻覚と決めつけず、奥さんの漠然とした恐怖感、周囲の人々への不信感などを描きます。不安感をじとー、じとーと描きまして、大筋そんな映画です。

面倒なのでさくっと感想書きますけど、ちょっと惜しい映画でした。気に入ったのはクライマックスの展開ですね。ここはほんとにいい出来です。喝采を送りたくなります。つまり、今までのすべての謎が解けるんですが、その解け方の表現ですね、これがいいんですよ。特にね、トルソとか椅子とかあたりは「おおーっ」ってなります。さらに、ベッドの装飾のあのシーンなんかはすでに予想通りの展開途中ですから「待ってましたー」となります。

アイデア自体はとりわけ斬新でも新しくもありませんが、その表現がイカしてました。

で、それ以外というか、本筋のところが実に惜しいと思ってしまったわけで、まず致命的なことを一番にいいますと、主人公のキャスティングです。

主人公女性は事故の精神的後遺症があって妊婦で不安で恐怖なんですよ。なのにアイラ・フィッシャーが演じてるんです。ぽっちゃりはつらつ元気いっぱいのイメージのアイラ・フィッシャーです。ぜんぜん合ってないですって。

グランド・イリュージョン」でも元気いっぱいだったし、この女優さん、知ってますか?サシャ・バロン・コーエンの奥さんなんですってよ。わーお。後遺症も不安も全然しっくりきません。

この奥さんがヨガ教室で出会う唯一信頼できるお友達がいます。このお友達をジリアン・ジェイコブスが演じてるんですが、これね、逆が良かったです。はっきり言って。ジリアン・ジェイコブスのほうが心の病があって妊婦で不安で恐怖で不信感っていうのが合っているように思うんですよ。まじで。

主人公と友人女性が逆だったらよかった!!!

というのが最大の結論です。すいません。

あとちょっとね、本編が少しだるくて、ちょっと間延びしてますね。実はこの映画、恐怖ネタが映画ネタになっていて、あまりたくさん恐怖描写が出てくるわけではない古風な作りなんですよ。だから今時のエンタメ映画みたいに次々と面白い現象が起きてくれるわけではないんです。

その間を持たせるためか、アイラ・フィッシャーのアップばかり映したり、やや間延びしてます。

そんな暇あったらぶどう畑とか畑の人とか怪しそうな隣人などのエピソードを描いてほしかったですねー。せっかくいろんな登場人物がいるのに、あまり人物が立っていません。主人公ばかりに注力しすぎて他の人や状況などということがらにしっかりとした肉付けを行わないんですね。

「心機一転、葡萄畑を育ててワインを作ってみせようぞ」と旦那が張り切っている設定なのにもったいない感じでした。

という、そんな感じで、そうそう。この映画自体悪くないってのは、この映画が目指した地点がとてもよくわかるからで、そこには好感持ちます。それは「ローズマリーの赤ちゃん」です。

不安な妊婦、怪しい隣人、信頼しているはずのお医者や旦那、だんだん誰もが信じられなくなります。最後のほうの居間に集まってるシーンありましたね。あれは良いシーンでした。さすがに観ているこちらも「えっ」と一瞬凍り付きました。あのシーンは良かったです。

感想としてはそんな感じです。

繰り返しますが、謎解きのサービスシーンは最高でした。いいところと惜しいところを相殺して「何だかんだ言って普通に良いんではないか」と。

あとはいろいろと辻褄的な不満感は残りますね。すんごい惨劇なのに(ここはネタバレ自主規制)だなんてねー。まあいいけど。あとほら、無関係に殺された(ネタバレ規制)がよほど惨劇ですよね。

そうだそうだ、オチもいい感じだったと付け加えておきます。比較的じとーっとした映画ですけど、最後の最後は洒落でさわやかに終わります。こういうエンディングのお気軽さ、これはとてもいいです。

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