ヒストリー・オブ・バイオレンス

A History of Violence
奇才デヴィッド・クローネンバーグ監督が驚きの新境地を開拓、 なんとアメリカンコミック的ヤクザ映画任侠映画ですよ。
ヒストリー・オブ・バイオレンス

どうしても「ビデオ・ドローム」や「裸のランチ」の印象から逃れられないデヴィッド・クローネンバーグですが、結構いろいろな作風を持っている人だとわかります。不気味系が多いけど。ただのアングラ変態監督と思われたままではイヤイヤっていうプロ根性も持ち合わせておられるように思えるんですよね。

この「ヒストリー・オブ・バイオレンス」はそんな変態イメージをぶち切る威力のまさかのヤクザ映画。任侠ものです。しかも何か変。この映画、独特です。妙です。でもかっこいいし、漫画的だし(原作はコミック?)アメリカ文学的です。
このストーリー展開の妙技やヤクザの描き方は、野暮ですが呆れないでくださいね、コーエン兄弟やタランティーノをある程度彷彿とさせます。
カナダ人変態監督にここまで懐の深さがあるとは予測できませんでした。なかなかしたたかですね。

2008.11.24

注)このブログでよく「アメリカ文学的」と迂闊に書いていますが、どういう意味で使ってるかというと、O・ヘンリやジョン・アーヴィングみたいな、スマートな話で二転三転してストーリー自体に感情移入するタイプ、というような軽い意味で使ってます。判りにくくてすいません。

この作品、あまり知られていないのかなあなんて思ってたら、絶賛され堂々の受賞歴もあるんですね。この次の作品「イースタン・プロミス」に続く、クローネンバーグの新境地。「イースタン・プロミス」はまだ見てませんがどういうわけか話題の大ヒット。「ビデオドローム」のおじさんもここまで来ました。感無量ですね。

ニューヨーク映画批評家協会賞(2005年)
助演男優賞:ウィリアム・ハート
助演女優賞:マリア・ベロ
ロサンゼルス映画批評家協会賞(2005年)
助演男優賞:ウィリアム・ハート
トロント映画批評家協会賞
作品賞
最優秀カナダ映画賞
監督賞
シカゴ映画批評家協会賞
監督賞
助演女優賞:マリア・ベロ
全米映画批評家協会賞(2006年)
監督賞
助演男優賞:エド・ハリス

2010.09.14

さらに追記。この映画を見たとき、主人公ヴィゴ・モーテンセンが誰なのか全然判っていませんでした。ロード・オブ・ザ・リングのアラゴルンだったんですか。ひゃー。そうですか。そうだったんですか。

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