ルワンダの涙

Shooting Dog
1994年のルワンダ虐殺を描いた作品。
ルワンダの涙

当時ルワンダで働いていたBBCプロデューサーのデヴィッド・ベルトンの経験に基づいた脚本であるらしいです。自身の体験や取材した話を登場人物に集約させて物語を構築、首都キガリの公立技術学校を舞台に虐殺を描きます。

この映画より1年早く作られた「ホテル・ルワンダ」との比較は避けられません。どちらも同じ虐殺事件を扱っただけでなく、どちらも生き残りの被害者を施設で匿うという実話です。
「ホテル・ルワンダ」はルワンダのホテル副支配人が難民を匿うルワンダ国民目線の作品ですが、演じている役者やロケ地は南アフリカによるものです。
一方「ルワンダの涙」は NGOの英語教師と神父が虐殺事件に巻き込まれるという西洋人視点で第三者的に描いた作品ですが、ロケ地は実際の場所と学校、スタッフの多くに虐殺の生存者を起用するなど現実との繋がりが深い製作になっています。

どちらの作品でも頼りない国連軍が描かれます。よく見ると扱いが少し違いますね。あくまでも「ルワンダの涙」は西洋人視点です。
どちらの作品でもあまり描いていないのは、民族対立の根本原因についてです。若干「ホテル・ルワンダ」では植民地時代に翻弄された件を臭わせますが「ルワンダの涙」ではほとんど触れられません。あくまでも西洋人視点です。
そのかわり、英語教師を通して後悔や無力感を強く打ち出しています。こちらは加害者的視点でもあるんですね。

これらの対比が興味深いです。まるで二部作のような案配で、興味があればどちらの作品も観ておくといいでしょう。

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