パージ:エクスペリメント

The First Purge
公開年:
2018
製作国:
監督:
  • ジェラード・マクマリー
出演:
パージの4作目。4作目なんて何やるのよ、と思ったらシリーズあるあるの時間を巻き戻した最初のパージ、パージ0ですね。ネタバレありの感想文。
パージ:エクスペリメント

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パージの4作目

面白かった最初の「パージ」から何年も経ち、知らぬ間に大ヒットシリーズとなってもう4作目、2も3もとっても面白かったです。1作目はパージにおけるある家庭のお話でした。2作目は案の定もうちょっと範囲を広げ、3作目では法律そのものとセットでテーマを社会にまで広げます。

そして4作目はシリーズ物の定番、時間を戻してパージ法ができる前の最初のパージテストを描きます。これでシリーズも一区切り。もしこれ以上シリーズを続けたらぐだぐだになり兼ねませんが、ブラムハウスは作るとなれば何とでも作ることでしょう。SAWやインシディアスで主要人物を殺してしまった後でも無理矢理続けましたからね。力技で乗り切ります。

さて時間を巻き戻してパージ法直前のパージテスト、パージベータ版の実験を描く4作目「The First Purge」はどんなでしょう。こんなのでした。

主要人物は超かわいい姉貴とチンピラになりたいけど弱すぎてへたれの弟くん、姉貴の元カレでこの町でブイブイ言わすギャング団のボスです。

パージ法を前に、社会実験ということで限定地区でパージを試してみるという、このテストに参加したら5000ドルもらえるし、もし積極参加したらそれに応じてもっと貰えるというということで、貧困層が多く住むその地区では住民の多くが消極的ながらテスト参加します。

パージの3作目に引き続き、若干の社会性を帯びたテーマとなっていまして、住民の多くが黒人とヒスパニック系です。貧乏人が5000ドルに釣られてテスト参加します。富裕層はそんなはした金でリスクを取りませんからさっさと街から出て行きます。

主人公の姉貴はこんなベータテストの反対を叫ぶのですが力及ばず、弟くんは復讐したいチンピラがいますからこっそり参加、元カレギャングボスは姉貴を守るために参加します。

全体的にはすごく古めかしいヒーロー物のストーリーとなっていますね。映画の最後のほうでは、元カレギャングボスが姉貴を救うためにスーパーマンとなって敵をなぎ倒します。あまりにも強すぎて結構ドン引きしますが、活劇ヒーロー物として見る分には問題ありません。
ただちょっとだけ残念だったのは、ギャング団には個性的な人たちが沢山いたのに全然見せ場がなかったことです。彼らの面白いエピソードが見たかったなあと。

この映画のプロットと言っていいのか、ストーリーですがとても面白い作りになっていまして、ヒーロー物になる後半に至るまでの、つまり「パージ」としての流れがとてもいいんです。

パージ法ってのは半日だけどんな犯罪をしても良いという法律で、人殺しもやり放題の恐ろしい設定なんですけど、このパージベータテストを描く映画でまた1のような2のような3のような話を繰り返しても面白くないですよね。ここに入れ込んだ工夫というのはこういうことです。

殺す気がない

黒人やヒスパニックたちは貧乏だしギャングもいるしヤク中もいますが、気のいい連中が多くてですね、パージテストは怖いんだけど本気で殺し合いが起こると思ってる人がわりと少ないんです。一部の気違いで殺人鬼みたいなやつはいますよ。結構こいつがいい感じなんですがそれはともかく殺人鬼はいますが少数派なんです。

ほとんどのテスト参加者が自宅で大人しく一晩待つ、あるいは教会にみんなで集まりじっとしてる、またあるものはパーティを開催します。

テストを行う政府のほうはですね、貧乏人の有色人種どもがパージ開始と同時に野獣のように殺し合うことを期待していたわけですよ、でも実際には、全然そうならないと。

私はこの筋の流れがとても気に入って、ちょっと目頭が熱くなったほどです。貧乏人たちは野獣じゃないし、何してもいいよと言われてもせいぜい略奪する程度で、あとはお祈りしたりパーティしてるんですよ。そしてみんなして弱い者を守ろうとします。どうですかこのシナリオから感じられる映画製作者たちの底辺への愛情。

という、このあたり社会性を帯びていて、低所得者層を殺し合わせて数を減らす目的を遂行したい政府というワルモノがですね、さらに酷いことを行ってイイモノの元カレギャング団が立ち向かうという、そういうふうになってまいります。

人ごとじゃない

低所得者層をパージしたい政府というのが、これがまさに今ですね、いわば我々が見るべき、まさにいわば、いわばまさになわけですよね。

ある東アジアの国は1996年頃までがんばって先進国のようになりつつありましたがその後転落し衰退しました。為政者が一貫してやって来たことは何でしょうか。低所得者層を増やすことです。そして今まさにいわば彼らがしていることは何でしょうか。パージです。

映画の「パージ」は映画ですから大袈裟ですが、大袈裟な部分を剥ぎ取ると今日本政府やアメリカ政府がやっていることはパージ以外の何物でもないと誰でも判りますね。

SFというのは現実を大袈裟かつ派手に作り直して社会を観察し批評するというジャンルですから「パージ」は極めて真っ当なSF作品であると言えるわけでありますね。何度も同じ話ばかり書いてますが。

てなわけでそんな社会性もちょっぴり入れ込みつつ、娯楽作品として適度に馬鹿馬鹿しさも交えつつ、楽しい娯楽作品として仕上げた「パージ」シリーズ4作目「The Firest Purge」でした。

ところでね、姉貴役のレックス・スコット・デイヴィスって女優がとっても可愛いの。

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