バーン・アフター・リーディング

Burn After Reading
ひょんな事から元CIAが執筆中の原稿を手に入れたフィットネスクラブで働くおちゃらけた面々。ストーリーテリングを味わい尽くせるコーエン節全開の快作。
バーン・アフター・リーディング

2010年も押し迫って参りました。2009年が「一昨年」になってしまう前に書いてしまいたいメモもまだ沢山残ってますが頑張って昇華しましょう。

さてコーエン兄弟が2007年「ノーカントリー」でアカデミーの賞に輝いたその直後の話題作が本作「バーン・アフター・リーディング」です。「読んだ後は燃やせ」ですか。スパイの秘密指令書は勝手に消滅しますがCIAの秘密文書は手動で燃やせよなというそんなタイトルです。

オスカー受賞後の期待作ということでどんな作品が出てくるのかと思ったら、これがまあコーエン兄弟らしい人を食ったような翻弄系の作品でして。
「ノーカントリー」的なものを期待して観に行ったらあっけにとられてぽかんと口を開けてしまったという人もいるかもしれません。中には「何だこのふざけた映画は」と怒ってしまう人もいたかもしれませんね。

コーエン兄弟の作品は重々しく怖いものも軽々しく洒落たものもありまして、そのどちらも人間の深みや感情を直接表現せず、物語の中に落とし込んで相対的な形で見せるような、そんなイメージがあります。
「バーバー」や「ノーカントリー」のような怖さも「ビッグ・リボウスキ」や「バーン・アフター・リーディング」のような軽快さも、まるで生き物のようなうねうねするストーリー運びの中で右往左往する登場人物たちという特徴が同じです。

「バーン・アフター・リーディング」がいったいどういう映画なのか一言で言えない点も他の作品と同様です。コメディと思ったら深刻な部分もあるし、深刻な映画とすればふざけているしと、ジャンルに囚われてそれに応じて見る姿勢を決めるタイプの人は居場所がなくてむずむずいらいらすることでしょう。
しかしそういう面白さこそが本作の要なわけです。

第65回ヴェネツィア国際映画祭オープニング作品。

2009.09.25

映画の脚本はコーエン兄弟による完全オリジナルで、これは2001年に公開された『バーバー』以来のことなんですって。オリジナル脚本、やっぱいいですねえ。

そうそうそれとエンドクレジットに流れる曲、あれは最高ですね。もうこの映画を見てしまったら最後、今後どんな映画を見てもC.I.A.が出てきたらまともに見ることは出来なくなるでしょう。

2010

ということでサントラのリンクも貼っておりますが、どうやらエンドクレジットの曲はサントラに入っていないっぽい?買ってないのでわかりませんが。

エンドクレジットで流れる曲は The Fugs の C.I.A man ってことで、探せばあるものですね。このすんごい曲です。CIAが馬鹿に見えてきます。ファッキンベイベー、CIAメーン。

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