愛のむきだし

Love Exposure
愛のむきだし

変態高校生たちが繰り広げる剥きだしの愛の叙事詩。4時間は一瞬。

愛のむきだし

厳格なクリスチャンの家庭に生まれた真面目で変態のユウ(西島隆弘)を中心に、ユウの父親、その愛人、親の愛を得られず育ったヒロインと謎の怖い女、そして新興宗教やユウの仲間たちが織りなす馬鹿馬鹿しくも目が離せない愛の4時間。

これは面白いですね。長尺ですが一本の大きなうねりがあるのでなく、連続テレビドラマをくっつけたような小さな展開が密集するタイプの映画です。節々に見所やクライマックスが用意されており、全く飽きさせません。
序盤は主人公の生い立ちを、次に他の登場人物の生い立ちをじっくり丁寧に描くことで後半に展開する物語に深みを持たせます。
ストーリーはマジックリアリズム文学にも通じるファンタジックさと不思議さと説得力とナンセンスさを持って進行します。

低予算が残念に思えてならないアクションシーンの哀れさや、あまりにもチープというかテレビ的なガッカリ部分もありますが、逆に低予算ならではの工夫による鋭いショットも沢山あります。いくつかの目を見張る素晴らしいシーンは世界に自慢できる日本映画の底力。特にあの浜辺での新約聖書コリント第13章のシーンは映画史に残る名シーンですね。

主人公始め中心人物を演じた役者たちもいい感じです。最初は「大丈夫か?」と思ってしまったりしますがなんのその、かなりの力を発揮します。凄いです。

印象深い鳥肌が立つようなBGMが随所で流れます。なんとまあギャスパー・ノエ「アレックス」でも最高の使われ方をしたあの曲、ベートーベンの交響曲第7番第二楽章です。「アレックス」のせいでこの曲を聴くだけで身が引き裂かれそうになるトラウマをかかえてしまったもので、曲の威力でコテンパンにされそうなところもちらほら。ずるいですね。
(ちなみにこの曲は他にもタルコフスキー「ストーカー」や「未来惑星ザルドス」「女優フランシス」やゴダールの何でしたっけ、他にも映画によく使われております)

第59回ベルリン国際映画祭・カリガリ賞、国際批評家連盟賞を受賞。

快挙。

“愛のむきだし” への 5 件のフィードバック

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