ゾンビランド

Zombieland
ゾンビランド

ゾンビに覆われた終わった国ゾンビランド合衆国の生き残り、神経質で腸の弱い青年が、マッチョマン、詐欺師姉妹と関わりあいながらL.Aの遊園地目指して旅する大ヒットホラー・コメディ。

ゾンビランド

主人公の青年は神経質で臆病で胃腸が弱く友達がいない引き籠もりで、ゾンビランドで生き抜くために自ら課したルールを厳格に守りながら生き抜いております。
そんな彼がある日出会うテキサス風ワイルドマン。埃臭く力強いゾンビ殺しに燃える単細胞風たくましい男。これが「フィースト」なら一発で殺されそうなキャラクターですが、本作ではちゃんと頼もしい男です。
この二人の前にさらに姿を現す姉妹。「妹が噛まれたの」「そりゃ可哀想に」「噛まれたらどうなるのか判っている。銃を貸して。私がやるわ」「ほらよ」てな会話の果てにこのしたたかな姉妹とも腐れ縁が発生します。
ゾンビがいないと噂されているロサンゼルス郊外の遊園地を目指して(なんで遊園地)旅する終末ロードムービー系ホラー。基本コメディですけど。

と、終末ロードムービーと言えば「フェーズ6」というつまらない映画があります。
「フェーズ6」と「ゾンビランド」の共通点は多いです。
滅んだ世界、生き残りの若者たちがどこかを目指してロードムービー、生き延びるためのルールがある、行く先々で「ひゃっほー」と物を壊したりゴージャスな場所に出入りするシーン有り、目的地に説得力があまりない、ネタに斬新さがあまりない寧ろちょっと古くさいお約束が多い、などです。

なのに「ゾンビランド」が面白く「フェーズ6」がつまらないのはなぜか。ひとつはコメディかシリアス風かってところ。だって洒落で済ましますから、何でもありでお約束もかえって効果的だったりします。もう一つは登場人物が魅力的かどうか。類型的なキャラクター設定も演じる役者の魅力で何とかなります。
とくにワイルド男の回想で犬と戯れるシーンは最高です。ああいう素晴らしいシーンがひとつでも入ってるともう映画そのものの好感度がアップします。
そしてもう一つ、個人的なツボで申しますと「映画に対する愛を感じるシークエンス」の存在です。
「ゾンビランド」は旅の途中に荒廃したハリウッドに立ちよりまして、ここで大スターの大豪邸にまんまと忍び込みます。この豪邸、誰の家かと思ったら・・・。映画ネタはいいですねえ。
もともとこの作品自体が「ゾンビ映画のパロディ」の側面が強いのですから、当然映画ネタとも相性がいいのです。
多少臭くったっていいのです。「こんなに泣いたのは『タイタニック』を観て以来だ」とか、そういうネタでもいいんです。

とことん今風で、映像も凝りに凝っています。冒頭から、主人公のモノローグに乗って次々にスタイリッシュでテンポのよい映像が流れます。
スローモーションと派手な構図を駆使したショットに、画面の動きに合わせた文字がレイアウトされてノリノリ音楽と共に観る者を引き込みます。
この突き抜け方が必須なんですね。
他の要素は特に目新しいこともなく、オーソドックスで懐かしいと言えるほどの捻りのないネタばかりです。そのオーソドックスなネタをキャッチーな映像で恥ずかしげもなく披露するその根性がいいじゃないですか。

さて主人公の青年を演じるジェシー・アイゼンバーグは今話題の「ソーシャル・ネットワーク」で大注目されています。映画の中で「何よりも怖いのはピエロだ」と言いますがこの人の母親は道化師だそうですよ。

ワイルドな男を演じるウディ・ハレルソンは何と「ナチュラル・ボーン・キラーズ」の彼、「ラリー・フリント」の彼です。ひゃー。そうだったですか。
埃臭いテキサス男の役柄ですが、映画中での回想シーンでは優しそうな全く違うタイプの姿でギャップを表現します。
現実には環境保護活動、反戦活動、大麻合法化活動などを行うナチュラリストでリベラルな人なんですって。埃臭いテキサス臭いワイルド男とは全然違うタイプの人なんですよね。おもしろいです。

姉妹の妹を演じるのはアビゲイル・ブレスリン。この子の平たくて可愛らしい顔はほんと独特ですね。「私の中のあなた」で母親を訴える姉思いの少女を見事に演じきり観るものの涙腺を直撃したあの子です。大物の予感すらあります。デビューはM・ナイトシャマランの「サイン」ですって。あぁ、あの子がこの子でしたか。
「私の中のあなた」と「ゾンビランド」は同じ2009年の作品。やりますね。

姉妹のお姉ちゃんはエマ・ストーン。テレビドラマなんかに出演していて、2007年に「スーパーバッド」で映画デビュー。今後は「スパイダーマン」のシリーズに出演予定で、売れっ子になる予定なんでしょうか。

さてネタバレとも言えますがクレジットされているのでもうバレています。我らがビル・マーレイです。
ビル・マーレイ、一般にはやはり「ゴーストバスターズ」の懐かしの人っていうイメージなんでしょうか。ジム・ジャームッシュやウェス・アンダーソンをあまり観ない人だと馴染みが薄いのかもしれませんね。
で、この方、本作でノリノリです。素晴らしいシークエンスでした。
というか、wiki見てたら出演作品のところに「ゴーストバスターズ3: 2012」っていう記述が。まじか。

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