処刑山-デッド・スノウ-

Død snø
処刑山-デッド・スノウ-

8人の医学生が雪山を訪れ山小屋に寝泊まり。さて問題です。友人たちが携帯圏外の山小屋へ行く映画は?「13日の金曜日」正解だがあの時代は携帯がない。じゃあ「死霊のはらわた」?

処刑山-デッド・スノウ-

「映画オタク」が問いかけ、女性が答えます。序盤の、ほんの僅かなシーンです。
「ある意味正解。『死霊のはらわた』の1作目と2作目の関係は・・・」と映画オタクが語ろうとすると別の友人に「映画の話は禁止」とたしなめられるシーンです。
この短い会話に、この映画の基本構成の全てが説明されています。
つまり「死霊のはらわた」1と2の関係が、そっくりそのまま「処刑山」に適用されているんですね。これで、大体のホラーファンはこの映画がどういう映画か大体察しがつくと思います。

冒頭は暗い森で何者かに追われる女性のシーンです。バックグラウンドミュージックはグリークのペールギュント組曲4番「山の魔王の宮殿にて」です。おお。今までありそうでなかったあまりにも直球ぴたりの恥ずかしげもない選曲!個人的にも、この曲は幼い頃にレコードがすり切れるほど聴いた言わば自分の魂を形作った重要な曲のうちのひとつです。もう私的にはこのつかみでだいたいOK。

雪山を舞台にしたこのノルウェー産スプラッタ・ホラー(+コメディ)、ゾンビ映画として特に目新しいネタがあるわけでも特に個性的であるわけでもなく特にぶっ飛んでいるわけでもハチャメチャなわけでもなく、まあ何と言いましょうか、普通と言えば普通、面白いと言えば面白いというそんな感じです。

でも何故かこれ、憎めない愛すべき作品と思ってしまうんですねえ。人には薦めませんが、私は好きですよ。
そもそも北欧の美しい雪山と若造山小屋ホラーの組み合わせがいいです。前半はこれから起こる怖い出来事を予感させるいい演出、後半はまさに「死霊のはらわた2」的な方向転換、この思い切りの良さが若干マニアックでいい感じ。
ずっこけ具合や間抜けっぷりもなかなかのもの。「フィースト」ほど無茶苦茶じゃない抑えた馬鹿さが丁度いいんですよ。おとぎ話のようなゾンビの設定にも説得力があり(笑)、若者たちのとぼけた個性と相まって上品とすら思えるから不思議。ここにも北欧映画の魅力が若干感じられますよ。

同じ低予算っぽい作品で雪国を舞台にした「30デイズ・ナイト」と比べると、圧倒的にこちらのほうが面白いしハイセンスだし魅力的です。
何がどう違うのでしょう。なぜあちらはつまらなくてこちらは面白いのでしょう。
センスの違いと一言で言うのは簡単ですが、その違いを細かく分析してみるのも面白いかもしれません。

「海に行けばよかった」って・・・(笑)

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