ロシアン・ルーレット

13
多額の賞金をかけた金持ちどものアングラ・ギャンブル、それはもちろんロシアン・ルーレット。
ロシアン・ルーレット

いやしかし「ロシアン・ルーレット」のタイトルで、中身がロシアンルーレットの話、それでわざわざ観たいと思うものなのか?
観ましたけど。

タイトルは「13」っていう、主人公に割り振られたナンバーです。「ロシアン・ルーレット」って、ちょっとベタすぎやおまへんか。
主人公の貧乏な彼は「運がよければメチャ儲かる」と盗み聞きした話にまんまと乗っかって何も知らずにロシアンルーレットの駒となります。
金持ちどもが集うアングラ遊び、人間の命に張った張ったのギャンブル大会です。
おお。こんなベタな話ならベタな邦題を付けても違和感ないかも。

予想通りの展開、予想通りのドキドキ、予想通りの顛末にて、なんというか、ここまで王道だとお見事って言いたくなります。
どきどきの演出も決して悪くない、いやむしろ良い。どことなくバッサリした感じの演出で、くどくどしてないし屁理屈捏ねないし思い切りがよくてハードボイルド。でも随所随所に不思議なねちっこさも含まれておりまして、これが不思議な雰囲気を醸します。バッサリ、バッサリ、バッサリ、ねっとり、バッサリという感じで、まさにロシアンルーレットな演出。

ベタすぎる内容に呆れながらも、じつはどんどん話にのめり込んでいったりします。ドキドキしてハラハラもします。哀愁もあります。こんなにベタなのに正直おもしろいです。そんでもって、見終わってしばらくすると何が面白かったのかすっかり忘れてしまったりします。いいですね、こういうのも。

で、見終わってからこの映画がリメイクであると聞かされ、なるほどーっと大いに納得しました。でもその納得は勘違いでした。
てっきり、昔の映画のリメイクかと思い込んだんですね。だってストレートすぎる話だし、今風の余計なシーンもあまりなくてハードボイルドだから、昔の映画のリメイクだと聞けばすんごく納得できたわけです。「ロシアン・ルーレット」っていうベタタイトルも昔なら新鮮だったのかもなんて頭の中で勝手にリメイクに関するドラマを作ってしまいそのまま今に至りました。
で、
この感想文を書くために調べてみたら、まあ何と言うことでしょう。ぜんぜん昔映画のリメイクなんかじゃなかった。監督のゲラ・バブルアニによる、セルフ・リメイクだったんですねー。

グルジア出身の新鋭ゲラ・バブルアニ監督が2005年に撮った「13/ザメッティ」というフランスとグルジア製作による映画のアメリカ版リメイクでした。
全編モノクロによる渋くて硬派なインディーズ作品なんだとか。「昔の映画のリメイク」を思うときに想像したようなノワールっぽい作品でしょうか。いやん。そっちを観たかったわ。
で、この「13/ザメッティ」がヴェネチア国際映画祭やサンダンス映画祭で注目され、監督自身によるハリウッドリメイクが決定して大出世、と、そういうリメイク作品でした。大当たりのポジティブロシアンルーレットで勝ったようなものですね。

でもって本作「ロシアン・ルーレット」ですが、最初気付きませんでしたがミッキー・ロークがかっこいい役で出ています。この役はオリジナルにはないミッキーのための役なんだとか。
いやしかしミッキー・ローク、どこの変な南米のおっさんやねんと最初思いました。この役はとても良いです。悪って感じで、ピュアって感じで、辛っって感じです。

なんというか、書けば書くほどIQの低い文章になってきそうですのでお手軽に今日はこのへんで。

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