ブレイクアウト

Trespass
ブレイクアウト
公開年:
2011
製作国:
監督:
脚本:
音楽:
  • デヴィッド・バックリー
主演:
出演:

親子三人ができたての豪邸に住んでいます。そこに現る武装強盗団。「おいこら金庫を開けろ」「いやだ」
ニコラス・ケイジとニコール・キッドマンが夫婦役でゴージャスに共演のファミリーサスペンス。

ブレイクアウト

「ブレイクアウト」っていう邦題ですが、同じタイトルの映画が他にもいくつかあるし、ニコラス・ケイジ主演の「アウトブレイク」っていう映画もあるし、もう多分あと数年以内にどの映画が何てタイトルか完全にごっちゃになって世の人は混乱するでしょう。
原題はTrespassで、侵入とか侵害とかの意味ですね。「不法侵入」っていう割とそのままのタイトルですか。なぜブレイクアウト(脱出)になったんでしょうね。逆の意味ですね。

それはともかくこの「ブレイクアウト」の売りは何かと言えばとりあえずニコラス・ケイジとニコール・キッドマンが夫婦役で共演というところでしょうか。ニコラスとニコールでニコニコ夫婦、などとつまらない言葉が浮かびますがスリラーでスター共演ってのは緊張感に欠けます。でも二人とも演技上手だし安心して見ていられるというのもありますね。

監督のジョエル・シューマカーは「8mm」などいろいろありますが傑作は何といっても「フォーン・ブース」ですね。その監督です。「フォーン・ブース」はほんとに面白かったですね。「ブレイクアウト」は面白いのでしょうかどうなのでしょうか。

ニコニコ夫婦には年頃の娘がおりまして、ちょっと反抗期で遊びたい盛りです。このお嬢ちゃんがこっそり家を抜け出した直後に強盗団が現れるという、それが事件の開始です。

事件の山場は、嫁はんや娘の命が危機にさらされているのに、ニコラス・ケイジがかたくなに金庫を開けることを拒むんですね。そういうやりとりがまあまあ見どころです。
でもその、何故金庫を開けぬ!とか、嫁はん怪しい!っていう、駆け引き的なミステリー的な、裏をかいたり話術で応酬したり、そういう展開にはあまりなりません。
最初はそういう映画かと私も思っていたんですがそれほどでもないです。知的応酬の映画ではなく、やっぱドキドキ系のサスペンス劇場です。強盗団もあまり知性的ではありません。誤解して期待しすぎるとがっかりするかもしれませんのでネタバレでもないけど言っときます。

強盗一味にも事情がありそうです。「弟が」なんて言ったり、何やら仲間なのか敵なのかわからない素振りも垣間見えます。この強盗団をもっとたっぷり描いてくれたらそれはそれで面白かったろうになあと思えます。

というわけで夫婦にも溝があったり、強盗団にも亀裂があったり、なんとなく人が入り乱れてごちゃごちゃしてきて、これ一体どう収集つけるんだろう、というような、そういうサスペンスが主体になります。それなりに面白く観ることが出来ますよ。最後の収集についてはちょっと気に入らないですけど。

この手のサスペンス、と言っていいのかわかりませんが、この手のサスペンスでは、ドキドキ感が最後まで持続しないのが通例です。娯楽映画らしく最後は安心なのであるという確信も理由の一つですが、もうちょっと広い範囲の「この手の映画」における脚本のお約束的なことで引っかかりを感じています。

それはなにかといいますと、例えば後半のある瞬間に、外部から「助けてくれるかも」な人が登場するシーンってよくあるでしょ。警官とか、頼りになりそうな人。
そういう人が登場したとき、大抵の犯人はこれを殺します。ここです。犯人が殺人鬼の設定ならいいんですけど、生身の犯罪者で、逃げおおせる可能性を賭けていたりしていた場合なんかは、それがすべてパーになってしまう瞬間となるんですね。
映画的にはもちろんその境目、一線を越えてもうどうしようもなくなってその後はドタバタするという展開のためのきっかけですから,目的には合ってるんですけど。
ミステリー的な進行をしていてこれをやられると一気に冷めます。
あとはヤケクソで殺し合いになるとか、追っかけ合いになるとか、死ぬ以外なくなるとか、そうなります。つまり知性を放棄したクライマックスになるしかなくなるんです。
そういうオチの付け方が安直でどうも昔から好きになれません。

という話がこの映画と関係あるのかどうかは置いといて、せっかくですので面白かったところを挙げておきましょう。

夫婦の娘ですが、なかなか面白いところがあります。大活躍とまでは言いませんが、いい案配であることを提案するシーンなど、イカしたシーンがありましてちょっとお気に入りです。
反抗期で不良仲間と遊びたいけど本当はとってもいい子っていうのも、嫌みに感じる人もいるかもしれませんがおじさん的にはとてもよい設定。賢い子というのがいいです。

「ブレイクアウト」はラストまで観ると何がテーマであったか明確になりますが、そこはかなり臭いです。言っときます。
でも事件の最中は、犯人たちを含めてそれなりに面白いですよ。出来が悪い映画というのではないです。ただ、やはり凡庸という言葉が浮かんでしまうのも事実。つまらないテーマ性にこだわらず、犯人たちの事情や人柄をもうちょっとちゃんと描くとか、不実や疑惑をねちっこくこねくり回すとか、そういう個性的な毒気や何かがあればなあと、ちょっぴり思ったりしますが無い物ねだりは見苦しいのでだからといって評価を下げるとか、そういうことはやめときましょう。

[広告]

投稿日: 初稿2012-10-06
このエントリーをはてなブックマークに追加
PVアクセスランキング にほんブログ村

コメントを残す