スペル

Drag Me to Hell
サム・ライミがお送りするドタバタホラー。
スペル

たまにはやりたい放題やりたかったのか、あるいはファンサービスか、はたまた原点回帰か、サム・ライミの痛快ファンタジー、これは盛り上げてくれます。わーわー言いながら観ましょう。

死霊のはらわたからキャプテン・スーパーマーケットからスパイダーマンまで、エンターテインメント系で爆裂してきた監督が放った今作の注目すべき点は、実はアリソン・ローマンを中心とする憎めない登場人物たちではないでしょうか。

田舎育ちでちょいと可愛いビジネスウーマン、屈託のなさと強さも持ち合わせたこの女性キャラクター設定には現代米国映画の同時代性を強く感じます。男性キャラクターの優しさもポイントです。

十数年前まで米国映画にほとんど見られなかった優しく繊細な登場人物たちが近年増殖しているのは、サム・ライミやコーエン兄弟をはじめ、この世代の作り手たちの心の成長をそのまま表しているのではないでしょうか。同世代を生きた観客たちも同様に。

だから、この映画はやりたい放題でも、ファンサービスでも、原点回帰でもなく、新しい人間表現へのチャレンジだったのではないかと強く思うのであります。

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