ダンス・オブ・ザ・デッド

Dance of the Dead
ホラー監督13人による「マスターズ・オブ・ホラー」シリーズのひとつ、奇跡の男トビー・フーパーの短編は踊るゾンビ。でもちょっとゾンビと違う。
ダンス・オブ・ザ・デッド

ケーブルテレビ用の映画シリーズ「マスターズ・オブ・ホラー」は13人のホラー監督による夢の共演です。テレビ向けですから映画ほどの尺も力もありませんが、興味深い作品が多く収録されています。

恐怖映画の奇跡「悪魔のいけにえ」を作ったトビー・フーパーの「ダンス・オブ・ザ・デッド」は、近未来アメリカン狂気系青春ゾンビ映画で、タイトルから連想するような通常のゾンビものではありません。確かにゾンビが踊りますが、盆踊りみたいな踊ってるだけの作品でもありません。

核テロ攻撃後荒廃した世界での女の子のお話です。母親が経営する喫茶店で働くベスはすさんだ世界を知らない純粋培養の女の子、ある日来店した不良の男の子にちょっと惹かれます。一目会ったその日から、恋の花咲くこともある、で、夜に繰り出します。
不良の男の子が仕事でやっていることと、夜のショータイムが絡んでいます。ショータイムを仕切っている男はエルム街のフレディでお馴染みロバート・イングランド。このショータイムのメインイベントはもちろんタイトルになっている通り死者を踊らせるという退廃的なショーです。映画内では随分引っ張りますが、死者を踊らせることが日常的なことではなく、このすさんだ世界でもやはり異常なことであるという設定が強調されます。

と、まあそんな感じの、わりときっちりしたストーリーがあって、核テロ設定や死者をどうにかする退廃、主人公ベスと母親のいろいろ、いろんなものが正しく絡み合っています。原作があるらしいですね。

馬鹿みたいな映画かなと見はじめていると、意外と面白いです。というかかなり面白いです。

荒廃した近未来でのショーのシーンっていうのはよくありますが、大抵どれも同じような演出です。がーがーとパンクが鳴っていて金網ライブショーです。アナログ生演奏もあります。昔風のスポットライトがぐりんぐりん動いたり、そんでもってプロレス的司会者ですね、そういうのがいます。懐かしいライブハウスの香り漂うショービジネスの形ですが近未来にはアナログアナクロショーが復権するのでしょうか。

主人公ベスが可愛子ちゃんです。この可愛子ちゃん、ジェシカ・ロウンズですね。そうです。後の「解体病棟」でのヒロインです。歌手やったりもしてるんだとか。

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  1. この記事は2013年1月に更新してポストしましたが、下書きは2009年からあったものです。適当に2011年あたりのポストとして処理しました。

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