「スリー☆ポイント」行ってきた

山本政志監督「スリー☆ポイント」2011年5月7日先行ロードショーの京都シネマへ行ってきました。

山本監督始め京都組の出演者たちによる舞台挨拶が上映前に行われました。
舞台挨拶が付いた初日上映に行くのは初めてです。普段は舞台挨拶というものに興味がなく、むしろ映画を見る前に製作陣の話を聞いてしまうと製作陣に感情移入しすぎて素直に映画を楽しめなくなりそうな気がして避けるほうでした。
映画は音楽ライブとは全然違う見方をしています。ライブなんかだと、音楽の出来映え以前に演奏者への感情移入が先にあって、最初から応援する気満々で好意的に見たりします。

映画は純粋ピュアに「創られた世界」に没頭する楽しみ方をしていて、誰が作ったとか誰が演じたとかあまり気にしていなかったりします。製作者や役者の名をブログに書きまくっているくせにこういう言い方も何ですが、映像作品ってのは何も知らずに触れるのが一番楽しいんですよね。

で「スリー☆ポイント」ですが、今回はちょっといつもと違います。一つには山本監督作品に対しては「普通の映画」と同じノリで接していないからというのがあります。
普通の映画のノリではなく、音楽のライブに参加する感覚です。
もともと山本監督と言えばじゃがたらを連想しますから音楽寄りのイメージがありますし、個人的に「闇のカーニバル」から「ロビンソンの庭」はパンクやロックの側にある映画という認識で、実際、京大西部講堂の上映イベントで見たような記憶(あやふや)があります。

もともと音楽のように接する監督の映画である上に、今回はちょうど一年ほど前、監督が製作を決定して動き始める頃からずっとツイートを拝見し続けてきており、いわばメイキングのドキュメンタリーに一年間触れてきたようなもので、その時点ですでに完成作品をぽんと観に行く普通の映画とは接し方が全然違います。
Twitterでいうともう一つ、何度かリプライを頂いたことがある中で、超すばらしいツイートが幾つかありました。そのセンスの良さと共通する何かに我が家ではひっくり返って大喜び、不謹慎と自虐と自信と言葉を選ぶ才能に改めて「監督、一生ついていきます」と叫んだのでありました。

そんなこんなで7日の上映ですが、京都で先行ロードショーっていうのでこれは行かない手はない。満席立ち見の状態での舞台挨拶。山本監督は「観る前にごちゃごちゃ言っても仕方がないし」というようなことを述べられて妙な先入観を押しつけることなく挨拶終了。本編上映となりました。

本編に関してはいずれ Movie Boo にて。–>本編感想文はこちら「スリー☆ポイント
はっきり言って観る価値あるとてもよい作品です。

上映が終わって、製作陣がすぐそこにいるのに誰も拍手をしない大人しい京都人の客にどきどきしながらロビーに出ると監督が出ておられて、そういうのもライブみたいですが、ついこちらもライブ気分で監督に近づき無理矢理握手をお願いするという暴挙に出てしまい失礼しました。

私、商業美術と音楽を人格を分けて別々にやっているわけなのでありますが、映画ってのはその両方を含めた総合的なものっていう当たり前のことをハタと思い出し、多くの表現屋さんと同じく、最終的には映画製作に対して大きな憧れと夢を持っているんだなあと自覚した次第であります。

そんな気持ちを思い起こさせるのは「スリー☆ポイント」が持っている映画を創るパワーと高揚感をびしびし感じ取ったからに相違ありません。そういう意味でもたいへん音楽的なというかライブ感があるというか、やっぱりちょっとカッコいい映画なのですね、これが。

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