ゼロの未来
長く公開を待ち望んでいたテリー・ギリアム「The Zero Theorem」が突然「ゼロの未来」という邦題で公開されることになりまして焦りました。
長く公開を待ち望んでいたテリー・ギリアム「The Zero Theorem」が突然「ゼロの未来」という邦題で公開されることになりまして焦りました。
女性を殺し解体して肉にして冷蔵庫に保管して食べる男の物語です。普段は仕立屋の物静かな男で、この主人公をアントニオ・デ・ラ・トレが好演。監督は日本で初めて紹介されるマヌエル・マルティン・クエンカ。なんかちょっと曲者臭がある監督です。
過去の諜報活動に絡む秘密を描いたクライムサスペンスでありますが、作品の趣は過去の因縁やそれにまつわる葛藤を中心に据えており、比較的渋い仕上がりで見応えのあるドラマ系スリラー。
刑事検事に犯人警官穴掘り人に軍警察、むさ苦しい男たちがぞろぞろと車で荒野を移動しております。いや荒野でなくて畑や湧き水もありますが、不安感掻き立てる何もない小アジアの田舎の一角です。ここで何をしているかというと死体を探しているのです。
母親と7歳の娘が海風吹きすさぶ掘っ立て小屋で暮らします。母は厳しい表情、子は・・・ちびっ子映画の快挙を堪能できる凄いやつ。映画はずっしり辛い系です。
歪んだ資本主義の末路である全体主義的管理社会の歪をスタイリッシュに綴る近未来SF。
ポーランドとの国境付近のロシアのどこかです。駅に棲むストリートチルドレンの三人組、ヴァーシャとペチャの兄弟とリャパが決意を持って旅に出ます。いや、弟ペチャはまだ小さいので決意なんかわかりません。でもとにかく旅をします。ちびっ子たちの冒険と顛末、ちびっ子を観るためのちびっ子映画一直線。
セルゲイ・ボドロフ監督1996年「コーカサスの虜」はシンプルな人と人のドラマです。ただ状況がちょっと異常なだけ、つまり戦争捕虜になってチェチェンの村で囲われてるんです。
エミール・クストリッツァ2007年の「ウェディング・ベルを鳴らせ」はノリノリ音楽と田舎の景色とドタバタを堪能する騒々しい映画。騒々しさは一級品。でも油断は禁物。
ナチス占領下のポーランド。下水道の検査員ソハは副業で空き巣狙いをやったりしている男で、ある日穴を掘って下水道に逃げようとしているユダヤ人と鉢合わせ。「金出しな。隠れ場所教えてやるから」と持ちかけます。
アンドレイ・タルコフスキーの名を世界にとどろかせた「惑星ソラリス」です。意思を持つ海が広がる惑星ソラリスの宇宙ステーションにやってきた科学者クリスが体験する摩訶不思議な出来事。
リマスター出ましたので記念に観ます。
孤児院で育った女性ふたり。ひとりは修道院に、もうひとりはドイツで過ごしていました。ドイツにいた彼女が修道院にやってきます。「いっしょにドイツ行こ」「あたしはここの暮らしがいいの」
ブルガリアの近代史を背負う祖父と、共産党政権時代にドイツに移った娘夫婦の子、つまり孫の物語。
アレクサンドル・ソクーロフ監督の解釈によるゲーテ「ファウスト」です。映像美と喧噪でとことん魅せます。
フランシス・フォード・コッポラ監督が10年ぶりに監督したという「コッポラの胡蝶の夢」はある種の物議を醸した地味目の老人ファンタジー。「若さなき若さ」の映画化。