チキンとプラム ~あるバイオリン弾き、最後の夢~

「ペルセポリス」のマルジャン・サトラピの長編映画二作目。死を決したバイオリニストの最期の8日間に現れる過去と未来をファンタジックに、ロマンティックに描きます。

サーティーン みんなのしあわせ

不動産屋のセールスをしているおばちゃんが、ひょんなことから物件の一室で凄いものを手に入れ、それを巡ってアパートの住人との攻防が始まります。ブラックでコミカル、2000年「La Comunidat」(コミュニティ)というタイトルの傑作。

マカロニ・ウエスタン 800発の銃弾

かつて西部劇全盛時代にコストの安いスペインで撮影していたそうで、そのロケ地の撮影セットを残した「マカロニ・ウエスタン村」は今ではブームも去り寂れた観光地となっております。このウエスタン村の元スタントマン、フリアンとその仲間たち、そして尋ねてくる孫カルロスとの交流を描きます。哀愁ただよういい話に見えて、その実けっこうぶっ飛びの超個性派捻くれ映画。かなりいい!

アンチボディ

変態猟奇殺人犯の男と田舎の警官が対峙します。いわゆる「羊たちの沈黙」とか「セブン」とかの系統の、犯人と警官の対話による心理戦系サイコスリラー。そういう系ですがなかなかよくできてます。

この自由な世界で

移民労働者の職業斡旋業を始めたシングルマザーの奮闘記。彼女の仕事と移民の事情、底辺労働者と底辺自営業者の勘違いとド根性。これが自由な世界に生きる道。ケン・ローチ会心の一撃。

ルート・アイリッシュ

兵隊派遣の民間会社に所属し、イラク戦争やアフガニスタンに出向く傭兵たちにスポットを当てた「ルート・アイリッシュ」です。彼ら民間兵の無様で病んだ暮らしを描くケン・ローチの社会派鬱々ドラマ。

サラの鍵

1942年、フランス警察によるユダヤ人一斉検挙の朝、少女サラは弟を納戸に隠して鍵をかけ、すぐに戻ると告げますがそのまま隔離され後に収容所に連れて行かれます。
一方現代、女性ジャーナリストが引っ越してこようとしているアパートに、かつてフランス当局によるホロコースト事件の被害者一家が住んでいたことを知り調査を開始。
少女サラの過酷な人生と、サラを探す女性ジャーナリストの人生。

カラスの飼育

父親が知人女性との情事の最中に急死する様子をじっと見つめる三姉妹の次女アナ。彼女に芽生える哀しいばかりの悪意を描きます。
「ミツバチのささやき」のアナ・トレントを大々的にフューチャーしたカルロス・サウラ1976年の名作。

バベットの晩餐会

19世紀、ユトランドの海辺の小さな村の小さな出来事。牧師の娘マーチーネとフィリッパに魅了される二人の男、数十年後に家政婦として姉妹の世話になるフランスから亡命してきた女性バベット、そして村人たちです。

ツリー・オブ・ライフ

テレンス・マリック監督が放つ久々の作品はノスタルジック父と子マクロミクロコスモス信仰道徳生と死家族人生鬱々きらきら映像叙事詩。第64回カンヌ国際映画祭でパルムドール受賞。