ハイテンション

HAUTE TENSION
フレンチホラーの幕開け。
ハイテンション

冒頭、俳優の口の動きと不思議な英語のアンバランスが気になってなかなかお話にのめり込めなかった。吹き替え版かと思ったけど、フランス語が話せない或いはついフランス語が出てしまうという設定なので、特に米国吹き替え版というわけでもないような。
これはフランスにやってきた英国民の話?英国が舞台のフランス人の話?まあ、どっちでもいいですけど。
中身は、スプラッタと言うより怖い人に追っかけられるいわゆる「追っかけもの」
残酷描写より、逃げ隠れの恐怖を演出した「ドキドキハラハラもの」と言っていいかもしれない。
相当怖いです。追っかけものでこんなに怖いのは久しぶり。ホラーマニアはすぐに恐怖や残酷さを笑いに繋げるけど、私は笑いに繋げるような余裕は全然なかった。逃げ隠れの恐ろしさはまさに悪夢のようです。
落ちに文句のある人も多いようですが、あれはあれで良しでしょう。
落ちだけで驚かせようとしているだけではなくて、全編を通してのテーマを浮き彫りにするための親切な展開なわけですから。
寧ろ普通の殺人鬼ものだったらそれはそれで「あ、そう」で終わってたような気もする。

主演のセシル・ドゥ・フランスはセザール賞にも輝いた女優で、彼女の演技が見事です。そして追っかけてくる怖い人は怪優フィリップ・ナオン。この人すごいです。ノエの映画のあの馬肉屋ですね。はくりょくです。

2006.09.05

[追記]めでたくDVD化もされました。

うわさの「ハイテンション」が公開されて一も二もなく見に行ったわけですが、この作品でアレクサンドル・アジャは大出世し、フレンチホラーなる枠組みも生まれたような、そういう歴史的作品なのかもしれません。
日本で公開したのはちょっと遅かったんですが、そのおかげもあってこの「ハイテンション」と同時に、その後のフレンチホラー作品もたくさん配給されました。
小さいながらも歴史の生き証人(大袈裟)になれてしあわせです。

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