トゥモロー・ワールド

Children of Men
2027年。人類は出産の能力が失われており世界に子供がいない。希望を失い治安は悪化、絶望と閉塞感に満ちた未来社会の物語。
トゥモロー・ワールド

この記事ですが、これもともとは2006年に観たベスト映画を挙げる雑談のエントリーでしたが、そのうち上位にいるトゥモロー・ワールドのエントリーに改変いたしました。過去記事の改編に否定的な方もおられると聞きますが気にしない。

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たしかに映画館のポスターで「トゥモロー・ワールド」を見たときは、その古くさいタイトルとパッとしないデザイン(上図参照)のせいで、まったく食指が動きませんでした。アルフォンソ・キュアロンも知りませんでしたし。
原題は「 Children of Men」です。まあこの原題も妙ですが。
原題と関係ないカタカナ邦題ってのはいけませんね。原題のままかと勘違いしますもんね。

「トゥモロー・ワールド」の見どころの一番は何と言ってもクライマックスです。どのようなクライマックスかというと・・・ネタバレっぽいけどいいか。戦闘シーンの長回し部分ですね。映画史上に残るとてつもないシークエンスです。映画ファンならこれ外せません。SF嫌いでも戦争嫌いでも是非見ておいて欲しいシーンです。

それからこの映画は絶望感に包まれた世界が舞台で、その絶望感をたっぷりと堪能していやないやな気分になり、辛くて落ち込んで救いのなさにへこむという映画マゾにとっては至福の時を過ごせますが、なんと希望の光も見せてくれるのです。アルフォンソ・キュアロンの名演出です。

突飛な設定の未来話なのにリアリティがあり、映画の前半ではそのあたりの絶望感を見事に表現していて、そこんところの描写力に説得力があるからこその最後の希望の光なんですよね。これが監督の腕前なんですね。最後のほう、涙があふれ出ますよね。

殺伐とした世界での救いがたい物語が進んだ後、思いもよらぬ方向にて収束していきます。最後だけファンタジックなのです。これがいい転換となって、観ているこちらはぽわわ〜んとなるんですね。

救世主のような扱いのある船が登場します。実は性根の腐った私はエンディング直前まで「この船はよからぬ船に違いない」と思い込んでいて、ヤバい系そっち方面の悪い物語を勝手に空想してたんですが、全然違うオチに一瞬あっけにとられ、自分の歪んだ発想をちょっと恥じました。原題を知ってたらまた全然違ってだしょうけど。

というわけで「トゥモロー・ワールド」をご紹介しました。ぜひどうぞ。

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