96時間

Taken
96時間
公開年:
2008
製作国:
監督:
製作:
製作総指揮:
  • ディディエ・オアロ
脚本:
音楽:
  • ナサニエル・メカリー
主演:
出演:

元CIA工作員の父ちゃんは今では離婚されひとり暮らしの情けない暮らしぶり。父ちゃんにとって娘こそが唯一の宝物で人生を生きる意味。そんな娘が外国旅行。しかも誘拐。父ちゃんは立ち上がります。

96時間

この映画は元CIAのスーパー父ちゃんが娘をさらった悪党を追い詰めて救出に乗り出す娯楽活劇です。普通の大ヒット映画で、娘をさらう悪党による売春ヤク漬け人身売買など不穏な設定とは裏腹に残虐描写や辛いシーンはありません。昔ながらの家族揃って楽しめる安心安全スマート活劇です。
見どころは元CIAスーパー父ちゃんの娘への愛の強さとスーパーマン的活躍です。スピーディに捜査は進み、悪党を捜し出すのも一瞬です。次々に悪党を追い詰め邪魔立てする警察を煙に巻き、天才的アクションで娘を救出する中年親父をカッコ良く描きます。
いわゆるハリウッド娯楽作品的フランス映画でして、派手なアクション、安心のドキドキ感、かっこいいオヤジ、純潔少女への強すぎる愛というまさしくリュック・ベッソンらしい設定です。

普通の誘拐犯追い詰め系アクション映画として、凡百の作品群の中でこの「96時間」がヒットした理由、突出している部分、この映画ならではの魅力が実はあります。

それは、この父ちゃんを突き動かす動機が純然たる「娘救出」と「娘誘拐した奴ぶっ殺す」という点に尽きるということです。この手の映画にありがちな主人公の正義感というものはありません。ないというより、主人公の正義は即ち娘であり、一般的な正義感とは無縁なんですね。彼は正義のヒーローではないのです。
何ヶ所かの重要なシーンで彼の非情さを堪能できます。普通のこの手の映画におけるお約束を、その肝心ないくつかのシーンでぶっ飛ばすんですね。これはなかなか心地よいです。
正義のヒーローによるアクション映画には決してないこの効果、それがなにかはもうわかっています。それは任侠的カッコ良さです。
任侠的カッコ良さを娘の救出劇に当てはめたこのアイデアが全編びしっと筋を通しているところが、この一見軽薄な何でもない映画にちょっとした付加価値を与えているんでしょう。

監督のピエール・モレルは「TAXI」などの撮影でリュック・ベッソンとはハリウッド式フレンチ・アクション映画のお仲間、最近では「パリより愛を込めて」を監督しています。
「96時間」もフランス映画ですが言語は英語でして、いつの間にかフランス映画は世界をマーケットにした娯楽活劇映画の分野で立派な位置にいるんですねえ。

個人的には冒頭、娘が旅行に行くまでのドラマ部分が気に入ってます。父ちゃんの悲哀がビシビシ伝わるし、父ちゃんの友人たちも魅力的。
こういう、登場人物の紹介や物語の説明を兼ねた序盤にちゃんとしたドラマを展開する力、この手の映画にもしゃんとした部分を用意して大人の鑑賞に堪える作品にする力は、さすが映画の国と言えるかもしれません。
それと、大人が主人公っていうのもいいですね。「すべて彼女のために」とかもそうですが、ごく普通の娯楽アクション映画なのに主人公が大人ってのは、これも大人の国の特徴でしょうか。

[広告]

コメントを残す