ピラニア 3D

Piranha 3D
ピラニア 3D

アレクサンドル・アジャによる21世紀版「ピラニア」。湖に突如現れ人々を襲うピラニア軍団。「なんだそりゃ馬鹿馬鹿しい」と侮るなかれ。映画史上最強の地獄絵図はこちらです。

ピラニア 3D

正直申しますと「なんだそりゃ、馬鹿馬鹿しい」と思ってしまったのは愚か者の私めにございます。侮っていたのはとんちきな私めにございます。

「ピラニア3D」ですが「ピラニア」としてDVD化されまして、これをもちろん2Dにて鑑賞。飛び出す内蔵やおっぱいを堪能できなかった悔しさは若干ありますが、それでも尚、この映画のずば抜けた力を十分に感じ取れましてヒャッホーと悲鳴の嵐でございます。「何それピラニア?あ、そう、どうでもええわ。一人で勝手に見といて」と蔑んでいた映画部の奥様も、観ている最中から大騒ぎ、「何これ最高」と大絶賛にございます。

天才アレクサンドル・アジャも、「ミラーズ」のガッカリ感で「もうだめかも。フランスに帰った方がいいのでは」なんて思ってしまいましたが、まさかここまでやれる人になっていたとは、完全に見くびっておりました。大変失礼をいたしました。

「ピラニア」ですが、78年のジョー・ダンテ同名作品のリメイク。「ジョーズ」の大ヒットの後に雨後の竹の子のようにニョキニョキ生えてきたパニックものの亜流作品の一つで、亜流作品の中では評価も高くヒットもしたのだとか。
そのオリジナル「ピラニア」のリメイクというか、ずいぶん話を変えてるそうですからリメイクというより着想を拝借した新作と言っていいかもしれません。

アジャ版「ピラニア」の絶賛を紐解くキーワードはたくさんあります。

たとえばリチャード・ドレイファスやクリストファー・ロイドがそれとなく出演しているとか、イーライ・ロスが大胆且つ適当に端役で出てるとか、特殊メイクのグレゴリー・ニコテロが出演もしているとか、多作に出演している多くの俳優の脇役起用とか、映画ファンが喜ぶ小技があちこちに張り巡らされていることなんかちょっとした特徴です。

アメリカ製ホラー・パニック映画の定番である「馬鹿な若者ども」の使い方がこれまた最高。最初のうちは馬鹿な若者たちやおっぱいのくだらない演出に「大丈夫か?」と思ってしまうんですが、このアジャという人はフランス人らしくこれを極端且つ徹底的にやり尽くします。さすがのIQ低いアメリカ映画でもここまでしつこくここまで大量の馬鹿を描き尽くすということはまずありません。このしつこさ、この異常な馬鹿加減とその人数、何事もやるなら徹底的にやります。
そして観客がこのIQの低い連中にいい加減飽き飽きしてきて「こいつら全員死んでしまえ」と思わず呟きかけたちょうどその頃、大きな転換が訪れます。そう、このとき我々は知らず知らずにピラニア側に感情移入してしまって「行けっピラニア!」などという不謹慎な気持ちにさえなっているのです。そしてホラー・パニック映画史上最強の阿鼻叫喚が待ち受けておりまして、しばらく後には「行け」などと思った自分を恥じるのです。こうやって観客の感情を手のひらで転がすアジャ監督の腕前の見事なことったらありません。

はっきり言ってアジャ版「ピラニア」はこの手のファン必見の大傑作。オーソドックスなようで斬新、斬新なようでオーソドックス、舐めてかかると大やけど、洒落と真面目の大融合、CG臭さもご愛嬌、やると決めたらとことんに、阿鼻叫喚の地獄絵図、美女と水着とおっぱいと、馬鹿と阿呆が大騒ぎ。まさにハイ・テンションの極み。デビュー作「ハイテンション」から一巡して、別の意味での超ハイテンション映画を完成させたアレクサンドル・アジャはもはやフランスとかアメリカとかそういう枠組みを超えた存在であります。

3Dで見損ねて残念と言えば飛び出すおっぱいです。おっぱいおっぱい。
おっぱいと言えば真っ先に連想するのは我らが「フィースト(23)」です。
実はときどきMovie Booのアクセス解析を見て楽しんでいるのですが、どんな検索ワードでお客さんが訪れているのか確認できたりします。一番笑ったのが「フィースト おっぱい」です。これまで、何度かこの検索ワードを発見して「いいとこ観てるね!」と感心したものですが、なななんと、アジャ版「ピラニア3D」の続編が決定しておりましてその名も「ピラニア3DD」おっぱい2倍、恐怖も2倍らしいです。そして監督がなんと「フィースト」のジョン・ギャラガー
なんですと。これはサプライズ。どうしようもなく(変な意味で)期待が膨らみます。「フィースト3」であそこまでやっちまったギャラガーが果たしてアジャ版「ピラニア」の後をちゃんと継げるのか。ちゃんと継げるとは思えませんが大いに楽しみでございます。

というわけで2011年最後の記事を飾るに相応しいド・ハイテンション最悪ムービー「ピラニア3D」でした。

追記。

時は過ぎ、いまや「ピラニア3DD」も公開済み、もちろん辺境の片田舎に済んでいる私はまだ未見でございますが、ばかばかしさは十分かぎ取れます。どう考えても歴史的怪作「ピラニア3D」には届かないとは思いますが観ていないのに決めつけてはいけません。いやでも「フィースト」3部作があのノリだからなあ。史上最強の馬鹿馬鹿しさを狙ってくれてるのかどうなのか、観るまではいかなる情報も仕入れませんよ。はい(情報遮断しすぎて、上映情報も見逃したっぽいが・・・)

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