ブラッディ・パーティ

Wir sind die Nacht
女ヴァンパイアたちの狂宴。スタイリッシュでかっこよく、お色気美女が闊歩して、100歳超える年なのに、せこい欲望ふりまわし、歌と踊りと買い物と、豪華ホテルと温泉と、綺麗な景色で大あらわ。
ブラッディ・パーティ

いえね、これあれなんですよ、監督と製作がね、「The Wave ウェイブ」の人なわけですよ。
「The Wave」を重く受け止め褒めちぎっていた手前、例え厭な予感がしてもこの「ブラッディ・パーティ」を見逃すわけには参りません。

「ブラッディ・パーティ」は、女ヴァンパイアのお友達4人組が繰り広げる・・・その・・・お遊びと喧嘩です。
最初は3人組ですが途中でひとり甘噛みして仲間にして、そんでもって4人で遊び狂います。無人のデパートでアクセサリーをあさったり、プールのテーマパークに忍び込んだりします。

雑誌のグラビアみたいなお洒落なカットが目白押し、それから景色の描写がやたら綺麗です。でもなんかちょっと全体に研ぎ澄まされたお洒落というより幾分もっさりしています。そのちょっと足りなさっぷりがお茶目な良いところです。

この手の映画として予感できるお色気シーンですが、期待してもそういうのはほとんどありません。大変健全な映画です。若干血が出たり人が死んだりしますが、エロティックシーンと同様、たいした表現ではありません。よほどの小さなお子様でないかぎり、制限なく観れるんじゃないでしょうか。

主演は傑作「パフューム-ある人殺しの物語」からあの主人公が最初に魅了される赤毛の美女役カロリーネ・ヘルフルト、それから「The Wave」の、あの意思の強い可愛子ちゃん役だったジェニファー・ウルリッヒです。それから、観てませんが「素粒子」のニーナ・ホスってことで、特にカロリーネ・ヘルフルトの華麗な美女への「魅惑の大変身」が見どころです。

お話は女ヴァンパイアとお友達の仲良しホリデーって感じで、最後のほうは危機一髪って感じで、もっと最後のほうは戦いって感じです。そんなんです。主にホリデーって感じが本編のほとんどで、世の中の女の子たちが夢見る、施設での好き放題きゃーっっていうのが中心です。豪華ホテルに泊まり、夜中のプールで遊び、デパートで盗み邦題、スポーツカーに乗り、着飾ってパーティです。楽しいよ。

映画的技術的には水準以上です。特にだらだらしたり、辛気くさかったり、低予算感が剥きだしだったり、観ていられないような駄目シーンばかりだったり、そういうことはありません。映画の内容はへんてこりんですが、意外にちゃんと作られています。実力はあります。そもそも低予算のB級映画ではありません。本気の比較的高予算作品です。多分。

このくだらなくてへんてこりんな映画を楽しめるかどうかは、観る人の心の広さに直結します。
もちろん私はOKです。というかむしろ好きです。いやかなりいいです。でも良い子のみんなが貴重な時間を費やしてわざわざこれを観るかどうかは・・・それはもちろん個人の自由ですネ!

追記

で、上記のような失礼な感想文を書いてその後、「東ベルリンから来た女」がすごく良かったんですよ。ニーナ・ホス、素晴らしい女優さんでした。「ブラッディ・パーティ」を観たときはよく知らんかったです。

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