マルタのやさしい刺繍
 Die Herbstzeitlosen

2006年 / スイス /  監督:

マルタのやさしい刺繍

監督・原案:ベティナ・オベルリ
脚本:ザビーヌ・ポッホハンマー
撮影:ステファン・クティ
音楽:リュク・ツィマーマン
出演:シュテファニー・グラーザー, ハイジ・マリア・グレスナー, アンネマリー・デューリンガー, モニカ・グブザー, ハンスペーター・ミュラー=ドロサート

スイスの田舎の村。夫に先立たれ生きる気力を失っていた80歳老女が、若い頃の夢だったランジェリーショップを開店させようと思い立ちお友達ともども奮闘するハートウォーミング田舎老人映画。


マルタのやさしい刺繍 [DVD]

ポストカードのような美しい景色に佇む小さな村が舞台です。田舎故、保守的な思想が根付いており、特に日本人の我々が見た時、男尊女卑や親を蔑ろにする態度にちょっと驚きを覚えるかもしれません。

生きる意欲を失っていた老女マルタは、合唱隊の旗の修繕を依頼され街に生地を買いに行くことで若い頃の夢を思い出します。ランジェリーショップを開く夢です。若い頃は刺繍の腕前があり品質を見る目もあります。
アメリカかぶれの友人リージの後押しもあり、よしいっちょランジェリーショップやってみるかと元気を取り戻すんですね。

しかし田舎の保守的な思想の中では、ランジェリーショップなど破廉恥で厭らしい汚らわしいものとされ、なかなか理解されません。

とまあそのような中で老女の揺れ動く気持ち、家族やお友達それぞれのサイドストーリーなどを織り交ぜて物語は進みます。美しい景色も出し惜しみしません。
老人たちがそれぞれに活躍する予想を裏切らないこの作品、暖かくやさしく、そしてねちっこさやお涙頂戴などが全くないドライな作りがとてもよいです。

監督は「ひとすじの温もり」(2004)のベティナ・オベルリ。1972年生まれの女流監督です。「マルタのやさしい刺繍」は本国で動員数1位に輝く大ヒットとなり、日本でも2008年に公開、2009年にはDVDも発売されヒットしました。

マルタを演じたシュッテファニー・グラーザーはスイスで名の知れた大女優だそうです。生き生きとしておられますね。
他の3人のお友達役もそれぞれとても良いです。こういう方々を素敵な女優というんですね。
当ブログとしてはおばあちゃんの旨そうに煙草を飲む描写も秀逸であると一言付け加えときます。

日本もこれからさらにずば抜けた田舎老人社会となるわけで、貧困や停滞や老人を中心に据える映画が求められます。くどくてどろどろの老人映画ではなく、ドライでクールかつソフトでホットなこのような厭味のない作品を作る技術をきちんと学ぶ必要があるんじゃないかと思います。

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カテゴリー: 2006, スイス
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投稿日: 作成者: Nezshi 更新日2012.03.26 | first appearance: 2011.05.17

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