30デイズ・ナイト

30 Days of Night
30デイズ・ナイト

アラスカ州の北の果て、ここはある季節に30日間の極夜を迎えます。

30デイズ・ナイト

冒頭の掴みはいいんです。大変美しいアラスカの雪景色と低い太陽。人口150人ほどの小さな街。穏やかな進行。

お、これはなかなかいいかも。と、思ったのは冒頭と冒頭から一点して阿鼻叫喚の地獄絵が繰り広げられる前半部分まで。ここまでは面白く撮るしいい感じだったんですけどねえ。

中盤以降は最後までぐだぐだです。

30日間日が昇らないという闇の世界感、極寒のサバイバル、そういった設定を全く生かし切れていません。
どう見ても2、3日しか経っていないとしか思えない適当な日数感、サバイバルの危機感なんかまるでなし、閉じこもったりよちよち歩いたり行動もいい加減、寒さも飢えも感じない、せっかくの味のある登場人物の犠牲物語も必然なしの出鱈目行動。
暗闇の恐怖も日が昇るのを待ちわびる気持ちも何にも涌いてきません。

ビックリシーンの演出だけ上手いです。

これはあれですね。得意のビックリシーンを撮りたいがためのストーリーです。あきらかに、シーン前提の後付けシナリオ。あるビックリシーンを思いついて、そのシーンのために登場人物を無理矢理動かしてきた感じです。

そういえば説明描写が随分荒っぽくて、くどくど説明せよとは申しませんが、どういう理由でどういう行動をどのように取っているか、という物語を描く基本がちゃんと出来ていません。
このちゃんとしてなさは「フィースト」にそっくりですが、あちらはギャグなのでそれでいいんです。こちらはもうちょっと説得力を持って描写していただかないと。

というわけで、面白ビックリシーンだけを切り取って集めたような映画でした。例えばウルトラマンが出てくるまでのお話が退屈だと思うような餓鬼、エロシーンだけを早送りしながら見るようなエロビデオファンに通じる、ビックリシーンだけが見たいと思っているような人々を相手にした映画なのでしょう。

途中で化け物ヴァンパイアたちが専用言語で語り合いますが、字幕がついていたりするんですよね。あれ誰が翻訳してる設定なんだろう。敵軍団の翻訳なんか必要あるのかな。

とそこで気付いた。や、これはマンガだ。

子供向けのマンガによくある、インベーダーの秘密基地内での会話と同じです。
「げろげろげ〜。人間どもを残らず食い散らかしてやる。げろげろ〜」
「ボス、我々は日光に弱いので夜しか動けませんげろげろ〜」
「 ふふふ。30日もあれば余裕のプーよ。野郎ども、ひと暴れしてこいげろげろ〜」
そんな感じです。真面目に見ていて損しました。

と、ガッカリ見終わって調べてみたら原作はコミックでした。
やっぱり。

この映画はマンガ的ビックリ映画ですので、ストーリーの妙技や人物描写は見るべき部分ではなく、ビックリシーンだけを評価すべき映画でした。

というわけでビックリシーンですが、化け物軍団は素早くて力持ちです。スピーディな攻撃はある程度楽しめます。最後はボスと主役(ニューヒーロー)との一対一のタイマン、手下の頼りなさが浮き彫りになります。

あとちょっと面白いなと思ったことがあります。
ラストシーンを迎えた後エンドクレジットに入るんですが、エンドクレジットの前半に挿入される音楽と映像がまるでオープニングみたいです。
スタイリッシュで思わせぶりなかっこいい映像と音楽です。
これ、もしかしてオープニングに使うつもりで作ったんではないでしょうか。どうでしょうか。

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投稿日: 初稿2010-10-26
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