キラー・メイズ

Dave Made a Maze
シッチェス 2018で上映されて話題だったダンボールクラフト迷路の映画「キラー・メイズ」です。原題は「Dave Made a Maze」デイブは迷路を作った。韻を踏んでいますね。映画中でも韻を踏むコントが出現します。つまりこの映画の制作意図でテーマであるところのノリが良く痛快という部分を強調します。
キラー・メイズ

ダンボールで作られた迷路のセットはとても気合い入っています。作った人たちの熱意が伝わるセットになっていまして、このセットそのものが映画の主人公ですね。シナリオもセットありきで進みます。セットを撮りたいが為にそのセットに合わせて簡単なシナリオを作ったかようにも見えるほどです。

ですのでこの映画に文句をつける前に、まずダンボールの迷路を楽しめるかどうかに注目しましょう。ダンボールの迷路は楽しめますか。はい。楽しめます。ダンボールだけでなく、広くペーパークラフトですね。折り紙なんかもたくさん登場します。ダンボール製の人形まで登場します。

「できるかな」とクラフトワークで育った世代であればきっとダンボールクラフトや紙仕掛けを大いに楽しめることでしょう。クラフトワークは関係ないか☺️

で、セットありきで作られたかのようなこの映画、本編の人間たちによる物語つまりストーリーについてですが、これには期待してはいけません。大したことありません。迷路に入って迷路から抜け出しましょうとがんばるだけの話です。

節々に面白いコントが挟まれます。笑える漫才のようなシークエンスもあります。ですが基本的に「脱出しましょう」「抜け出すんだ」「どうすれば」みたいな、すごくつまらない会話のみがストーリーを進めるので、その部分に関してはとても退屈で正直眠くなります。

不思議な迷路探検や合間に挟まれるコントと同等のテイスト、つまりノリが良く痛快でナンセンスな骨子が本編ストーリーを紡ぐセリフの中にあればもっと良かったのになあとつい思ってしまい申し訳ない。

ということで映画としては大したことないわけですがそんなことはどうでもいいのでして、ダンボールで作られた仕掛けいっぱいの迷路だけを楽しむのが正しい作法です。または、全てのカットをアルバムの1曲であるかのように楽しみます。アルバムといっても「原子心母」みたいなコンセプチュアルなプログレアルバムではなくネタの集大成でぼくらのバンドの曲をたっくさん詰め込んだよ!聴いてね!っていうタイプのアルバムですね。そういうタイプの映画だと思います。そういうタイプと言われて納得できる人もあまりいないと思いますが。

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