ノッキン・オン・ヘブンズ・ドア

Knockin' on heaven's door
余命僅かと宣告され同室に入院することになったちんぴらマーチンと気弱なルディが、死ぬ前に海を見なければと病院から逃走して旅立ちます。
ノッキン・オン・ヘブンズ・ドア

死を間近に控えたマーチンとルディは病室で意気投合し車を盗んで旅立ちます。行く先々で犯罪を犯しながら旅するドタバタロードムービーとなりまして、上等の車や大金をすかっと手に入れながら気分良くテンポもよくお話は進みます。

主人公たちのコンビを追うのはそもそも最初にベンツを盗まれたギャングのコンビ。この二人組が間抜けで大変面白いです。冒頭シーンはギャングのコンビによるおかしな会話からです。
さらに別のコンビが登場します。やはり主人公たちを追いかける警察のコンビです。厳しい上司と間抜けな部下です。
この三つのコンビが文字通り三つ巴のドタバタ劇を繰り広げます。
行く先々で出会う人々もたいそう味わい深い人ばかりで、銀行の面々、トルコレストランの面々、中古車屋や不良少年、ギャングのボスにガソリンスタンドに立ち寄る変わった警官など、とぼけた連中が花を添えます。

不愉快な人物が誰一人登場せず、極端なアクションやナンセンスギャグが炸裂するということもありません。なんだか全体にほのぼのしていまして、味わい深いコメディです。

「ノッキン・オン・ヘブンズ・ドア」はその作られ方もドラマチックで面白い。wikiによると、タクシー運転手だったトーマス・ヤーンがティル・シュヴァイガーに脚本を送ってティルがこれを気に入り、スポンサーを捜し回って実現したのだとか。
ティル・シュヴァイガーはこの作品でモスクワ映画祭最優秀主演男優賞を受賞し、出世作となったそうです。
この方は「イングロリアス・バスターズ」でお目にかかってました。

アラビア人アブドゥル役のモーリッツ・ブライブトロイは「ソウル・キッチン」のお兄ちゃんですね。
そういや「ノッキン・オン・ヘブンズ・ドア」の雰囲気や可笑しさが「ソウル・キッチン」のテイストにちょっと似た感じかもしれません。この事例だけをもって「ドイツ映画らしい」とか言ってはいけませんがちょっとそんなことも感じたりして。
「es [エス]」にも出演していましたか。「es [エス]」はもう細かいところは憶えてないですねえ。Movie Booの記事にもしていませんでした。

「ブレードランナー」のレプリカ役でブレイクしたルトガー・ハウアーがゲスト的に出演しています。当初ギャラが高くて出演交渉をあきらめかけたらしいですがルトガー・ハウアー本人が脚本を気に入り「マネジメントの言うことは気にするな」と出演を快諾したそうです。
この方、最近の映画「ブリューゲルの動く絵」に出演してるんですよね。

「ノッキン・オン・ヘブンズ・ドア」は日本で妙なリメイクがなされたようです。ロリコン王国日本らしく、主演のコンビをアイドル兄ちゃんとちびっ子女の子に設定を変えての作品とのこと。意味がわかりませんがまあどうでもいい話です。

このエントリーをはてなブックマークに追加

[広告]

コメント

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です