奇人たちの晩餐会

Le Dîner de cons
出版社経営者ブロシャンの密かな楽しみは、そこいらの馬鹿を晩餐に招待して笑いものにすること。
奇人たちの晩餐会

いまさらですけど印象深い邦題が付きましたね。ちょっと大袈裟な気もしないではないですがなかなか洒落た邦題かと思います。この邦題のおかげで大ヒットしましたもんね。誰もが知るタイトルとなりました。

さて、町の馬鹿を見つけて晩餐会に招待して笑いものにするという酷い話です。主人公は誰か馬鹿はいないかなあと散歩して物色、見つけた今回の馬鹿はマッチ棒工作が趣味という税務局勤めの小男ピニョンです。税務局とか会計士といった数字に関する職業を小馬鹿にするお笑いはヨーロッパではおなじみですね。小太り小男のピニョンはまさにヨーロッパのインテリギャグでよく使われるちょっと頭の弱い税務局員です。細かいことをごちゃごちゃ言いながら日常的な生活能力や社会性がなく、マッチ棒を使った細々とした工作で楽しむ男です。でもディナーで晒して笑いものにするようなそういう馬鹿にはとても見えません。可愛くて愛嬌があって、そして可哀想です。笑いものにするために招待するとは主人公はどこまで腐った人間なんでしょう。でも楽しみですね。さっそく呼びましょう。なんだかんだ言いながらわくわくしてピニョンを呼びつける主人公に感情移入です。主人公はちょっと腰を痛めていまして、それがどういう展開に発展するのか気になります。
さてこの映画、この後どうなるんでしょうか。

フランス映画のブラックコント、文学的とも言えるおかしな会話、おかしなシチュエーション、おかしな展開が続きます。
馬鹿を呼んでディナーで笑いものにするという筋書きで始まってるのに、予想を心地よく裏切ってくれる本筋の展開とも相まって、このお話の世界に没入する感覚はこそばいやらむず痒いやら面白いやらいらいらするやら。

見ている間中ずっと不思議な苛立ちと笑いで満たされます。矢継ぎ早な展開も、想像と異なるストーリーも、ずっと予想を超えていまして、こんな面白い映画はなかなかありません。

1998年のスーパーヒットコメディ映画、まだ観ぬどなたさまにも超お勧め。人情喜劇の鑑のような映画でございます。

2006.06.06

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