恐怖ノ白魔人

AUX YEUX DES VIVANTS
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公開年:
2014
製作国:
監督:
製作:
  • ファブリス・ランボ
  • ジャン=ピエール・プッテル
  • キャロリーヌ・ピラ
脚本:
撮影:
音楽:
  • ラファエル・ゲスカ
編集:
主演:
  • アンヌ・マリヴァン
  • テオ・フェルナンデーズ
出演:

「屋敷女」のジュリアン・モーリーとアレクサンドル・バスティロの2014年新作は人知れず「恐怖ノ白魔人」なんて酷い邦題が付けられて映画際で上映された無残な映画。

恐怖ノ白魔人

日本では2015年シッチェス映画際ファンタスティックセレクションで「恐怖ノ白魔人」として上映されましたが、この映画際では「恐怖ノ黒ナントカ」って邦題のシリーズもどきもありまして、黒ナントカが今回白ナントカになったことで、それなりにこの作品に敬意を表していることが伺えますが、所詮は「恐怖ノ」扱いであります。
その扱いに最初ちょっと憤り「そんな扱いでいいのかっ」と思いつつ、同時に「リヴィッドでやらかしてしまったからなあ。格落ちしても仕方ないかなー」なんて考えていました。

私は「屋敷女」を歴史的名作と位置づけるほど評価しておりまして、それは今でも変わりません。当時はジュリアン・モーリーとアレクサンドル・バスティロのコンビ監督を「若いのに基礎をたたき込まれていて実力がある上で新たなチャレンジをしている大変有能な」とか何とか、思いっきり誉めています。

コンビ監督の次の作品は「リヴィッド」というファンタジーホラーで、これはちょっと危ういところもありますがまだまだ擁護してるし、良いところもありました。ただ、インタビューなどを漁ると、どうも言ってることがちゃらんぽらんなところがあり、大丈夫かいなとちょっと心配になったものです。

さらに時は流れ、栄光は遠のき、「恐怖ノ」扱いで新作が公開されました。シッチェス映画祭に出向くことが出来ないので発売を楽しみにしていまして、楽しみの半分は変なもの見たさ、色物見たさでもあります。
そして観ました。

「恐怖ノ白魔人」ですが、これはもうね、ちょっと擁護するのが難しいです。
冒頭のシークエンスがありまして、プロローグのような扱いなのですがここだけ誉めます。冒頭シークエンスにはベアトリス・ダルが出演しており(その姿に驚愕しますよ!)、まあ凄まじい演技を見ることが出来ます。あっと驚くびっくり描写もあります。
ただしバットで滅多打ちにして無事でいるわけないやろとか、ちょっと演出と脚本のいい加減さを垣間見ることは出来ます。
そしてこの映画の価値はここまでです。あとは割とどうでもいいです。

特に目新しさがないとか、物語にメリハリがないとか、登場人物が全く立っていないとか、今更白塗り白虎社キャラとか、そういうことはこの際いいとします。この映画はそれ以前の話で、ちゃんと出来ていないところが多すぎます。特に撮影や編集や演技や脚本が(全部かよ)
この映画が若い新人監督の作品だったりしたらまた話は変わります。がんばれーがんばれーで済む話です。「屋敷女」の実績がある以上、多少の責任が覆い被さってくるのは仕方ありません。

「屋敷女」を買いかぶりすぎていたのかなと思ったりしますが多分そうではありません。「屋敷女」のときはこの新人コンビ監督に大女優が協力していましたが、同様に優れたスタッフがいてくれたのであろうと確信します。助言をしたり指導的立場の人もいたかもしれません。若いコンビ監督のアイデアを優れた映画にするために、監督たち以外の映画職人たちがきっと活躍したのです。この確信は「白魔人」の出来の悪さを見ればわかります。明らかに全然違う手によるものです。
もしかしたら逆で、今作は編集や撮影のスタッフが悪すぎたと言えるかもしれません。それもあるでしょうね。前作までの撮影の人カモーン。監督として優しすぎて「何でもええよー、よくできたねー、オッケーオッケー」ってなったのかもしれません。でも脚本の悪さはちょっと擁護しにくいですよ。

とボロクソ言うてますが、それでも私はこのコンビ監督を諦めません。次がんばろう。次。本作だって冒頭は面白いんだし、まあ目をこらせば本編中もちょっとくらい面白いシーンがないことはないですし。

ということで次を楽しみに待ちます。もし次があるのならですが。修行し直してからでもいいですよ。

予告編を見ると悪くなさそうにも見えます。つまりこれは予告編職人の勝利ですね。編集スタッフにはこういう人を起用したいところ。

ちょっと追記しますが、ベアトリス・ダルは「屋敷女」の最初からこのコンビ監督に好意的で、その理由も「二人の人柄が気に入ったから」と、何ともいい人っぷりを発揮しています。ベアトリス・ダルは今のところ全作に出演していまして「いいよー。出てあげるよー」と気軽に受けてあげてるんでしょうか。私も自分のバンドにいろんな著名人をゲストでお呼びしておりますが、大抵は「いいよー。出てあげるよー」と、ゲストの方の人柄におんぶにだっこ状態での交渉の結果だったりします。このコンビ監督を他人と思えないのはそんなところに共通点を感じているからです。

冒頭シーンの強烈さは、さすがベアトリス・ダルと唸るレベルにありますが、あのバットの攻撃とか、あれ明らかにやりすぎで、普通に考えれば打たれたほうは死んでますよね。コンビ監督はベアトリス・ダルの壮絶演技に指示や駄目出しをすることなどとうてい出来ず、本番演技に圧倒され「素晴らしかったです」と速攻OKだしたんじゃないかと、勝手に撮影時ドラマを妄想しておりますが。

投稿日: 初稿2016-04-11
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