題名のない子守唄

La sconosciuta
題名のない子守唄

「ニュー・シネマ・パラダイス」のジュゼッペ・トルナトーレが怪しい女性のミステリに挑む。

題名のない子守唄

何やら怪しいエロティックな秘密会の冒頭シーン。怪しいけど何か変。この映画、まじめに見ていいのか?という気になりますが、どうやらまじめらしいのでここはひとまず納得しておく。

で、話変わってウクライナからトリエステにやってきた主人公イレーナの仕事探し。
家政婦になりたいらしい。ちょっと無謀な策略でまんまと家政婦になり、夫人の信頼も得て、最初距離があったその家の娘との交流などを深めます。丁寧なお話の中に、ときどき「やりすぎやろ」という部分もあったりして、なかなか油断ならない展開に、どのようなつもりで見ていいのか戸惑うこともあるかもしれません。
この作品は、ミステリでサスペンスですが、本筋では勤め先の家族(というか娘)との交流や主人公の不可解な部分が核となっています。単純なジャンル分けができない多面性があって、そこを面白いと見るか中途半端と見るかが評価の分かれ目かもしれません。
謎の女性イレーナの秘密と目的というミステリ、同時に家政婦として接してきた家族への関わりと交流のドラマ、その二つを併せ持つだけではなく、その二つのテーマに加えてもう一つの重要なテーマがありまして、弱者というか駄目人間というか馬鹿というか、そういう人間の後悔とちょっぴりの希望です。こういう部分はいいですね。暖かさが多少残ります。
まだあって、そこはかとなく漂う嘘くささや童話のような物語の展開もこの作品の大事な要素です。
これらが混ざり合って、どれが主ということもなく淡々と進むものですから、そういう点を以て面白く思うか中途半端と思うか分かれ目だと思うわけですね。

私はその混ざり具合は嫌いじゃありません。細かいところで好きなシーンもあります。急いで買い物をするシーンとか、黒カビとか、変なエロティック秘密会とか。

2010.3.28

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