ボラット 栄光ナル国家カザフスタンのためのアメリカ文化学習

Borat: Cultural Learnings of America for Make Benefit Glorious Nation of Kazakhstan
カザフスタンのテレビレポーター、ボラットに扮してアメリカに赴き、文化交流と称して人々と出鱈目に接するモキュメンタリー。
ボラット 栄光ナル国家カザフスタンのためのアメリカ文化学習

モキュメンタリーってのは偽ドキュメンタリーのことのようですね。この映画はボラットがアメリカ人に仕掛けるドッキリカメラみたいなもんです。ごく一部にフィクションも交えています(骨董店で骨董を壊すところがフィクションらしい)

カザフスタンジャーナリストを演じるのはイギリスのコメディアン、サシャ・バロン・コーエンさん。ボラットはこの人の持ちネタのひとつだとか。
このユダヤ系イギリス人コメディアンがのっけから大真面目に「ユダヤ迫害祭り」の話をし始めたりする わけですから、この映画のブラック加減は半端じゃありません。

人種差別ネタから対テロ活動、フェミニスト、保守大会、宗教とボラットの毒牙はあらゆるアメリカ人を困惑、憤慨させます。
一部フィクションを除いてそのほとんどが本気のドッキリカメラになっていて、撮影中の揉め事や映画を巡っての訴訟問題が起きており、中には仕事を解雇された人までいたりしてかなりの問題作ということが伺えます。

ネタはいかにもイギリス人コメディアンらしい黒さと風刺に満ちたものばかりで、カザフスタンを馬鹿にしていると言うより、明らかにアメリカを馬鹿にしていて、そのあたりの痛快さが見どころのひとつ。

ボラットがあまりにも有名になってしまったため続編はないとサシャ・バロン・コーエンは明言しており、本作は唯一にして貴重な一本となりました。

これは観ておく価値有りの逸品です。

2008.1.27

さて、このサシャ・バロン・コーエンとラリー・チャールズ監督のコンビが、今度はオーストラリア人でゲイのファッションレポーターに化けてまたしてもアメリカ(や中東)を過激におちょくりまくるドキュメント映画「ブルーノ」(2009年)を製作、2010年の春に日本でも公開されました。観ていませんが。
ちらと見る限り、ボラットがいかに作られたキャラクターだったかを痛感します。ブルーノとボラットが同一人物とは見てのビックリです。

2010

[追記 2012年夏]

サウンドトラックがiTunesで売ってたので聴いてみたんですが、そうでしたそうでした、音楽も大変ポップで良い感じでした。
カッコいい曲もたくさんあります。なじみ深い中東アジアのメロディやジプシー音楽、好きなテイストが満載です。サントラもおすすめ。サイドメニューにiTunesのリンクあるので、サンプルだけでも聴いてみてくださいな。

そういえば最近、新作の「ディクテーター」観に行ってきましたが、こちらもカッコいいアラディーンな曲がたくさんあって、とってもアラディーンでした。

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