ルイスと不思議の時計

The House With A Clock In Its Walls
「ルイスと不思議の時計」というファンタジー映画ですが監督がイーライ・ロスというので「何それどういうこと?」と少し興味を持ちましたが良くない予感もしたのでそのまま放置していました。でも思い出したので観ました。
ルイスと不思議の時計

イーライ・ロスが監督することになったいきさつに関する業界の事情とかそういうのはまったく知りません。最初はあまり良い印象でもなく、雇われ監督とか小銭稼ぎとかそういう悪い言葉を連想してしまいまして、ほんと失礼なことを勝手に妄想して酷いもんです。謹んでお詫び申し上げます。

タイトルからして少年もののファンタジーです。マーティン・スコセッシ監督が少年ものファンタジー「ヒューゴの不思議な発明」という映画を作りましたよね。邦題からしてそれの劣化パロディみたいだし、大丈夫かと思っても仕方ないですよねえ。

誤解を広める前に言っときますけど、これ面白かったです。監督イーライ・ロス、主演がジャック・ブラック、相棒にケイト・ブランシェットとなかなかハイセンスな人選。それと、ヒューゴと同じように主人公の少年が賢い設定で、難しい本をバンバン読んで覚えも良いという、読書家で賢い少年が出ているだけでおじさん満足です。

内容は思っていたより結構ぶっ飛んでいて、魔術師の話なんですね。魔法の勉強とかするような完全なファンタジーです。そしてついでにホラー要素もしっかりあります。ハリー・ポッター風でもなく、ヒューゴの映画話とも違い、まあまあそこそこイーライ・ロス監督ならではってところもありまして、やっつけ仕事なんかではありません。むしろノリノリで作ったんではないかと思います。

イーライ・ロス監督はデビュー作からプロデュース作まで好きな作品が多いのですがとりわけ「グリーン・インフェルノ」以来大いに尊敬できる偉い人括りで見ております。ジャングルロケの話もそうですけど、この人、本物派なんですよね。本物派って何だよと言われそうですが、つまり何かと本当にやっちゃうというところに拘りがあるように思えるんです。CGで済ませられそうなところをちゃんと模型作ったり、スタジオのグリーンバックで十分なところをちゃんとロケしたりとか、そういうことです。

映画の最後のほうでは派手派手なシーンが目白押しで、不思議の時計というくらいですから歯車とか出てくるんですが、全部CGかと思いきやちゃんと金属を使った大きな模型をこしらえたりしているそうなんです。あと、もっとも凄まじいと言ってもいいジャック・ブラックのあれ、あの気持ち悪いアレもCGじゃなくて模型なんですって。アレではわからんか。観た人はわかりますよね。観てない人には・・・まあいいか、バラしますけど、赤ちゃんジャックです。あれどう見てもCGでしょう。でも違うんです。めちゃめちゃ良く出来た模型です。本当に作って動かしたんですって。きっと撮影現場も気持ち悪さでいっぱいだったことでしょうね。

ケイト・ブランシェットも珍しくコメディアンヌっぽくて、よく動きまわって意外でした。自分がああいうケイト・ブランシェットを見たことがないだけでああいう演技する作品ってあるのかもしれないですが。ちょっと一瞬ティルダ・スウィントン的だなとさえ思いました。「ティルダ・スウィントンみたい」なんてべらぼうな褒め言葉のつもりです。

「グリーン・インフェルノ」のあとイーライ・ロスと結婚したロレンツァ・イッツォがママの役で出てきました。可愛子ちゃんだったロレンツァももう今やママの役なんですね。そりゃそうだろうけど。

というわけで「ルイスと秘密の時計」楽しめました。

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