ヒルズ・ハブ・アイズ

The Hills Have Eyes
ヒルズ・ハブ・アイズ

77年「サランドラ」をアレクサンドル・アジャがリメイクした荒野のスプラッタ・ホラー。残酷で残虐、恐怖と反撃。

ヒルズ・ハブ・アイズ

オリジナル「サランドラ」は1977年のウェス・クレイヴン監督作品。「エルム街の悪夢」や「スクリーム」の才人ですね。
「国家的犠牲地区」と大統領が宣った(←事実)かつて核実験場だった砂漠地区。ここに家族旅行でやって来た一家を恐るべき異形の者たちが襲います。

ファンの間では「オリジナルを越えた」と大絶賛されヒットした本作「ヒルズ・ハブ・アイズ」を撮ったのは「ハイテンション」でフレンチホラーの代表格にまでなったアレクサンドル・アジャ。
この監督の恐怖描写はかなりのハイレベル。「ハイテンション」でもそうでしたが、わりと「ありがち」な怖いシーンであっても、そのショックや怖さの演出の力が抜きんでています。これはなぜでしょうね。間合いやタイミング?なんか、こう、上手いんですよ。怖いんです。細かい部分の演出の技術力なんでしょうねえ。

「ハイテンション」のそんな演出力が認められたのか、アジャはさっそくハリウッドに渡ります。

アメリカ製ホラーが陥っていた「安物感狙い」や「ギャグに逃げる」姿勢と真っ向対決して怖さを突き詰めたフレンチホラーの特徴が「ヒルズ・ハブ・アイズ」の出来映えに寄与したのは間違いありません。
ハリウッド製作1作目のこの作品はアレクサンドル・アジャの名をさらに引き上げたことでしょう。

このあとアジャは「P2」を製作し「ミラーズ」を撮りますが、ヨーロッパ映画ファンにとってはなかなか微妙です。もう少しフランスでじっくり撮ってもらいたかった気持ちも湧いてきますね。「P2」は別の監督だからともかく「ミラーズ」の出来はズッコケレベルで悲しいですもんね。

さて「ヒルズ・ハブ・アイズ」ですが、いろいろ問題が多い映画ですから20世紀フォックス配給による日本での公開が中止され、独立系配給会社プレシディオの配給が決まるまで「絶望的では」との見方が広がっていました。
被爆国としてはそりゃそうですよね。悪意の全くないウルトラセブンの12話が欠番になるほどですからね。
オープニングで枯れ葉剤被害者の写真を使ったのも大いに問題となったようです。
しかし困難にもめげず、小規模ながら公開されDVDも発売されてホラーファンも一安心です。
この映画を見たからといって被爆者を人食い殺人鬼と思う人はいません。そりゃ、ひどい設定でありますがそれはそれこれはこれです。
このような設定の場合、決まって「化学兵器や核を用いて残虐行為を繰り返すアメリカそのものを批判する」という構図ができあがります。もちろんその姿勢に嘘はないでしょう。例えばこの映画でのアメリカ国旗と国家の扱いなどに如実に表れています。
しかし単に恐ろしい異形の者を描くことの言い訳でもあります。その気持ちがないとは言わせません。作るほう見るほう両者ともにです。
おっと、根が深い文芸上のテーゼが含まれますから割愛しますね。

この作品で惨劇に見舞われるのは家族ですが、この設定はわりと好きです。「低脳な若者たちのヒャッホーな大馬鹿道中」みたいな全く誰にも感情移入できない設定と違い、親子三世代の年齢幅も作品に幅を持たせます。
逆にアメリカ映画ということで全くドキドキ感がなかったことと言えば赤ん坊ですね。
もしアメリカ製の映画でなかったら、赤ん坊の危機に対して心の底から不安と恐怖を感じたことでしょう。でも多少は「やらかしてくれるかも」と思わないでもなかったかな。まあ「フィースト」じゃあるまいし、アメリカ大手配給会社の作品で赤ん坊が惨殺されることはありませんので安心ですね(ネタバレっぽいかな。でも誰も疑わないからいいでしょう)

キャラクター的にはルビーが秀逸でしたね。みんなルビーが大好きさ。可愛いよね。

それと真の主人公ビースト。犬ですわな。この犬の活躍は名犬ラッシーも顔負けの格好良さ。やっぱり映画は動物と子どもですね。

ルビー可愛いね

ビーストカッコいいね

“ヒルズ・ハブ・アイズ” への 1 件のフィードバック

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