グロリア

Gloria
マフィア系一家惨殺事件からうっかり男の子を助けてしまったグロリアの奔走。ジーナ・ローランズの魅力炸裂のハードボイルド快作。
グロリア

ジョン・カサヴェテス監督が妻であるところのジーナ・ローランズの魅力を余すところなく描ききった女ハードボイルドの名作1980年の「グロリア」です。

ジーナ・ローランズと言えば、そう、何度も書いたフレーズですが世界一かっこよく煙草を吸う女優でありまして、全身これ格好良さで出来ています。
カッコ良さの成分は単なるカッコ良さではなくて、気だるさや投げやり感も内包しております。渋さと冷たさも内包しております。そしてちょっぴりの優しさも内包しております。
「グロリア」はそんなジーナ・ローランズの魅力を最大限に堪能できる女ハードボイルドの傑作であります。

冒頭はマフィアの会計係の裏切り者的振る舞いで家族もろとも報復を受けるという怖いシークエンスからです。
一家惨殺から逃れた男の子をたまたま助けることになった近所に住む熟女、ギャングの情婦グロリアです。
男の子を助けたものの、いつまでも面倒を見る気はないよあたしは子供嫌いなんだよどこへでも行っちまいな、と冷たくあしらいつつもこれがなかなかポイと捨てるわけにもいかず、情も移るし乗りかけた船ってわけで、はからずも男の子を守るために敵をいっぱい作ってしまったりしながら突き進むお話なんですねえ。

ジョン・カサヴェテスの演出がこれまた超クール。たくさんの格好良すぎるショットが堪能できます。しつこくなく大袈裟でなく乾いていて、もうノリノリです。

幼い子を守る厳つい主人公のこの物語、ジョン・カサベテスは「子連れ狼」を参考にしたらしいですね。はいな。親子じゃないけど「子連れ狼」的カッコ良さに通じるものがあります。
また一説には「レオン」はこの「グロリア」の影響があるんじゃないかとかって噂もありますね。
男の子とおばさんの関係を女の子とおっさんに置き換えたわけですが、おっさんが活躍しても当たり前ですので「グロリア」の面白い発想には及びません。全然違う映画ですけど。

まあ、とにかく70年テイストもたっぷりの(80年の映画ですが)ジーナ・ローランズ堪能型超クールハードボイルド映画「グロリア」でした。

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