[REC]3 ジェネシス

[REC]3 Genesis
[REC]3 ジェネシス
公開年:
2012
製作国:
監督:
製作:
製作総指揮:
脚本:
撮影:
音楽:
  • ミケル・サラス
主演:
出演:
  • ディエゴ・マルティン
  • イスマエル・マルティネス
  • アレックス・モネール
  • エミリオ・メンチェータ
  • クレア・バシェット

超面白い感染オカルトPOVの「REC」と「REC2」に引き続きのシリーズ3作目です。3作目ですがジャウマ・バラゲロ監督してませんし関係してません。お話は前作までと無関係な独立したお話で、しかもあろうことか今作POVじゃありません。これはどうしたことか。いろんな映画の悲惨だったパート3の悪夢がよぎります。これ観てもいいのか。本当に観ていいんですか。

[REC]3 ジェネシス

その前にわざと嘘書いたことの訂正ですが、クリエイティブプロデューサーという肩書きでジャウマ・バラゲロは絡んでいます。
でも多分、一応絡んでるだけみたいな、名前だけみたいな、そんな感じじゃないでしょうか。勝手に想像してるだけですが。
プロデューサーの二人のフェルナンデスは健在です。
ていうか今回単独で監督クレジットされているパコ・プラサは「REC」「REC2」でジャウマ・バラゲロとコンビで監督やってますし脚本書いてます。

というわけでスタッフ的にはシリーズを担う人々による真っ当なパート3です。ヘッドラインで嘘書いて煽ってすいませんでした。

しかしパート3に対する不安は正直な気持ちです。
パート3の悪夢と言えば、最近では「ホステル3」が思い浮かびます。無関係というわけでもないですが監督が交代し全2作と比較するのも気の毒な出来映えでした。しかしあれはタランティーノとイーライ・ロスが関わらなくなってしまったので今回とはちょっと違うかもしれません。
「スターシップ・トゥルーパーズ」のパート2やパート3の悪夢もよぎります。しかしあれは一作目が奇跡的大ヒットの大作でしたから、またちょっと事情が違うかも知れません。
いずれにしても何となく不安なパート3です。

今回「REC3」の大きな特徴はみっつあります。

別のお話

ひとつは「REC」と「REC2」が続いていたお話だったのに対して、まったく異なるお話であるという点です。人物たちも舞台も前作までとは関係ありません。

今回の舞台は結婚披露宴会場です。結婚式当日の幸せいっぱいカップルが主人公です。主人公の二人の他は、友人や親戚です。大胆設定です。この手の映画を好む人たちが、「結婚披露宴が舞台」と聞くだけで萎えてしまう可能性があります。

POVではない

もう一つの特徴は「REC」というタイトルを名乗っていいのかというほどの大転換でして、つまり撮影カメラによる主観視点の作風、POVを放棄してしまったということです。
これはシリーズとして大きな決断ですよ。タイトル「REC」ですからね。でもそれを棄てました。このシリーズを好むファンが主観視点の放棄をどう受け止めるか、どう受け止めるでしょう。

ジャウマ・バラゲロ不在

みっつめは最初にお話ししたとおり、ジャウマ・バラゲロが監督を降りてパコ・プラサ単独の監督作品となったことです。ジャウマ・バラゲロは監督を降りただけでなく、脚本にも参加していません。これがどう出るか、これは不安と期待の両方がありますね。

そういえば私、「REC」をめちゃ気に入ったあと、ジャウマ・バラゲロばかりに注目していました。シリーズの中枢にいるもうひとりのパコ・プラサについて、まったく注目していなかったのはどういう了見でしょう。

ジュネとキャロ

というわけでこの件に関してもうちょっとだらだら書きます。コンビ監督について連想する人たちがいるのです。ジャン=ピエール・ジュネとマルク・キャロのコンビです。

この二人はコンビを組んで「デリカテッセン」と「ロスト・チルドレン」を世に放ちました。この名作映画二本、一見ジュネがメインでキャロがサブ的な見方をしてしまいますが、まあ、その通りでもあるんですが、でもコンビだからこその作品でもあるんですね。
コンビ別れした後、ジュネは「アメリ」や「ミックマック」を撮ります。いい映画を撮りますが、混沌やダークさなどの毒気部分はキャロに追うところが大きかったのだということがわかります。
キャロは「ダンテ01」というダークで毒気のある映画を作りますが出来映えはと言えばいまひとつでした。

ジャウマ・バラゲロとパコ・プラサ

ジャウマ・バラゲロとパコ・プラサのコンビはどうでしょう。なんか、ジュネとキャロのコンビと似たものを感じます。

ジャウマ・バラゲロの他の作品には、確かに雑然とした感じやダークで汚れた感じは少ないように感じます。だとすれば、ジャウマ・バラゲロはドラマチックでメジャーっぽい仕上がりの部分を、パコ・プラサが荒削りでスプラッタでハチャメチャな部分を担っていたのかもしれません。ジュネとキャロのコンビとよく似た役割分担です。

もしそうならば期待半分、そして残りの半分は映画的な完成度が得られているのかどうかという心配が出てきます。
「REC」シリーズの荒削りでダークでハチャメチャだった部分は好きなテイストですが、それらをきっちりまとめ上げて映画の完成度を高めていたからこその評価でもあったわけですからね。

さてと。
長々と観る前の心配や事情を書いてしまいましたが、心配してても始まらないのでいっちょ観てやれ、ということで観ました。
どうだったと思いますか。「REC3」。感想文のはじまりまじまり〜。

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感想

はい。結論をいいますと、私は面白かったです。ややだらだらした冒頭こそちょっと心配になりますが、すぐに楽しくなります。全体的には私の好物オンパレードでした。

好物1。突然やってきます。

わりと序盤はだらだらと結婚披露宴やってます。ちょっとしつこいくらいです。これはわざと観客をじらしています。そしてふと感染ゾンビ系のお話に転換しますが、その転換があまりにも突然で急です。そしてその瞬間からこっち、完全にそっち系映画と化します。躊躇なしです。ここにじらしはありません。さくっと転換します。この潔さは天晴れです。しかもですね、冒頭はこれまでのシリーズと同様、カメラによるPOVで進行していますが、これを投げ捨てるんですね。文字通り、POVという技法をカメラを投げ捨てる演出でもって投げ捨てます。これまた潔いです。この潔さは勇気と自信の表れですよ。

好物2。荒削りです。

予想した通り荒削りのハチャメチャです。でもそこがいい。確かに映画完成度ではメジャー作品に及ばないかもしれませんが、ホラーだからむしろそっちのほうが面白いです。個人的には、ホラーに関してはちゃんとしたメジャー作品よりも荒々しい作風を好むのです。パコ・プラサは一人で監督してもキャロみたいなちょっとがっかりする作風にはなりませんでした。ここは見くびっていました。十分やれてます。ていうか今までもこの人の力が如何に大きかったかわかります。

好物3。面白い人々。

わりとギャグっぽい演出が多いです。想像以上にふざけた映画でした。親戚のおじさんはじめ、いろんな面白い人々が登場して、その行動がいちいち面白いです。
それから本作ではコスプレギャグがふんだんに登場します。まじおもろいです。スポンジ男に鎧甲に身を包んだ主人公、花嫁衣装まで(これはコスプレとは意味が違うか) かなり笑えます。普段ホラー映画を褒めるとき「ギャグに逃げずに」という言葉を私吐きますが、まあその、ギャグに逃げてても面白ければOKなんです。節操ないですけどこれでいいのだ。

好物4。小ネタを本気で持ってくる。

ギャグのネタを随所に持ってくるのは普通ですが、なんとストーリー上の大きな部分でギャグと一体となった展開が訪れます。ここまでやればコメディ映画かと思うばかりです。いや実際、これジャンルとしてコメディ映画かもしれません。
RECのゾンビは基本オカルトなやつらですから、どういうわけか聖書の朗読に弱かったりします。まあネタバレしたくないし皆まで言いませんが面白いネタを最重要シーンに持ってくるのは大したものです。かなり笑えます。

好物5。女優が素敵。

はい女優です。独特のギョロ目とやや出っ歯系の、ガイコツみたいな顔の女優さんですが、この方素敵ですねえ。 見ようによっては「シャイニング」の奥さんに似ていなくもないです。とても個性的でいい感じ。
レティシア・ドレラという女優さんです。 あぁ、普段の写真は「REC」のアイドル我らがアンヘラちゃん(マヌエラ・ベラスコ)にちょっと似てなくもないのですね。超いちびった(訳註:超格好をつけた)写真もあります。別人のような美しさです。でもメイクとPhotoshopがあれば誰でもモデルさんみたいに美しくなれますから普段のナチュラルな姿が可愛ければどうでもいいです。

好物6。女性が頑張る。

もはやジャンルと言っていいかもしれないレベルの、ホラーやアクション映画における女性の奮起、たくましい戦いシーンです。「REC3」でもレティシア・ドレラがしゃきっとやりますよ。盛り上がること間違いなし。

というわけで、ハチャメチャでど派手、荒削りで乱暴、かぶり物や可笑しな人のギャグもたっぷりあって女優も可愛い上に戦うマッチョシーンまであって、これはまあ他人はともかく私にはかなりの好物でございました。

 

観る前の心配は全て消し飛び「おもろかったなあ。おもろかったなあ」と上機嫌でありますが、これほど面白がっているのは映画部部室でも私ひとりでした。

RECなのか

不思議なことに「REC3」は「REC」シリーズとはちょっと異なっていて別の映画のようで、でも最後まで見れば明らかですがこれはまさしく「REC」シリーズの一本と納得させる内容となっています。

RECシリーズらしさとは何か。作り手の皆さんは考えました。お客が考えるRECシリーズらしさを裏切ってやろうという意図があったのかなかったのか、普通に考えれば「POVである」「真面目に怖い」「連続した物語」あたりでしょうか。これら全てをひっくり返しました。その代わり「感染オカルトゾンビである」「面白い人々」「ちょっと歯の出た女優」そしてバラしませんがその他いくつかの要因をシリーズの特徴として持ってきました。意外と言えば意外です。けど見終われば納得です。
このあたりの「お客を驚かせてやろう」って感じの転換は、シリーズを続けてきた人たちだからこそできた 快挙かもしれませんし、あるいは、私ちょっと褒めすぎかもしれません。

尚、このRECシリーズはまだまだ続く予定だそうで、控えるパート4ではジャウマ・バラゲロが単独でメガホンを取るらしいです。遊んでますね皆さん。結構結構。楽しみにしています。

というわけで女優ブロマイドで締めときます。超いちびった(訳註:超格好をつけた)写真と、ナチュラルっぽい写真がネットで見つかりました。

Leticia Dolera
いちびったほうの写真
Leticia Dolera 2
ナチュラルっぽい写真
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