サイレント・ウェイ

El callejón
スターを夢みる可愛子ちゃんローザが人気のない路地のコインランドリーで夜ひとりお洗濯です。あぶないよ。あぶないよ。こわいよ。こわいひとがくるよ。
サイレント・ウェイ

「サイレント・ウェイ」って邦題のスペイン/コロンビア映画です。「路地」っていうのが原題です。低予算系のスリラーでホラーで可愛子ちゃんが出てきて怖い目に遭います。路地裏の場末感がピッタリ嵌まる75分の小品。どんな定番でもどんとこいです。もう見る前から好意的です。

オープニングで流れるB級とレトロ受けを狙ったダンスシーンも、しゃきっと決まらずちょっと間延びしている感じがご愛敬。この手の映像で好き者の心を鷲掴みするつもりが今一歩届かないという、でも悪くないという、決して貶したくはありませんが大したこともないという。でもこのオープニングのダンスシーンは、じつはオーデションの演目ですからこれでいいのだ。

オーデションを受けスターを夢みる可愛子ちゃんローザです。これほど可愛らしい子ならオーデション一発合格ですね。で、やっぱり審査で合格して明日来いって言われて喜んでおります。

喜んでるのに家に帰らず人気のない路地のコインランドリーで衣装の洗濯をします。そして怖い人が現れます。そんでもって、いろいろ起きます。

演出はお世辞にも上手とは言えません。どうなってんのかよくわからないところもあります。路地裏のコインランドリーというシチュエーションで登場人物も少ないのにこの表現技術で大丈夫かと心配になりますが心配は杞憂に終わりません。どうにもよくわからないまま勝手に盛り上がってそして映画が終わります。
「どうなってんのこれ」と思わないではおれませんが、でも決して貶したくなんかならないという、褒めるってこともないですが良くないところも好意的に見るという、まあそれは何故かというとヒロインが可愛いからという、そんないい加減な気持ちにさせてくれる良品。良品か?

シナリオ的にはもうちょっと凝ったものを作りたかったのだろうと思います。
例えば薬を飲むシーンがあったり、眠気のために幻覚を見たりします。不安と睡魔による幻覚ネタはいいのですが、それに加えてぜんぜん違うネタを合わせ技で持って来たりします。よほど演出が上手でないと、この合わせ技は上手くいきません。幻覚ネタが展開後のぶっ飛び系ネタを打ち消してしまうからです。つまり、後半のヒャッホー系に上手く乗り切れないんですよね。

シチュエーションスリラー系の面白さがまず最初やってきます。お互いに怖がったりするような、こないだ見た「エンド・オブ・ザ・ワールド」みたいな脚本の妙技が楽しめるのかな、と思ったらそれは肩すかしで次に犯罪系恐怖がやってきます。だんだんスリラー的な面白さが出てくるのかな、そういえば路地とおうちがすぐ近くにあったりして、ちょっと変わった個性的な設定で、期待を盛り上げますがそれは肩すかしで次に幻覚系の面白映像が出てきます。なるほどサイコ系の面白さで行くのかなと思ったらそれは肩すかしで最期のほうにはぶっ飛び展開がやってきます。なるほど「フロム・ダスク・ティル・ドーン」系のあれを持って来たかったんだなと、納得します。
このようにたくさんのネタを一度にやってしまおうとする・・・そうですこれはスペイン映画名物、何でも複合的にやってしまうスリラーコンプレックス略してスリコン作品なわけなのですねえ。

そう思うと、序盤のホテル清掃員としてのシーンとか、怪しい男たちの役割とか、お姉さんとか、同僚とか、いろいろ面白く思えてきます。

231143_207167549323821_8017858_n

で、余計なご託はどうでもよくてですね、この映画はヒロインであるローズを堪能するアイドル映画的側面がとても大きいです。大きなお目々のアップシーンでみんなメロメロです。この子、アナ・デ・アルマスというキューバ出身の女優です。映画の中でもキューバから来たって設定でしたね。ほんとにまあお人形さんみたいな可愛子ちゃんです。
他の出演作知らないのにMovieBoo「すべての人:アナ・デ・アルマス」に項目作っちゃいました。あほですね、わし。
2005年の「カリブの白い薔薇」見てみたい。
( → カリブの白い薔薇 | ティリジャスタキのスペインプントコム

お人形さんみたいと言えば、ほとんど後ろ姿ばかりで最期のほうにちらりと顔見せするお姉さん役の子も、マネキン人形のような美しい人でしたね。この人誰なんですか。IMDb見てもよくわかりませんでした。美人姉妹。いいですねえ美人姉妹。

というわけでアナ・デ・アルマスとお姉さんを見る価値が十分にある「路地」こと「サイレント・ウェイ」でした。私はこの映画好きです。

・・・と、終わる予定が今一個発見しましたので書いときます。
監督・脚本のアントニオ・トラショラスですが、どこかの新人かと思ったら、この人脚本家として「デビルズ・バックボーン」にクレジットされている人でした。ははぁん、そうなんですか。あの傑作に脚本家で参加、そうでしたか。そうなると、この「サイレント・ウェイ」が脚本的にとても面白い(けど演出的に今一歩かな…)というのが納得出来ます。

アントニオ・トラショラス、脚本家としてはキャリアが多くありますが、長編映画初監督作品なのではないでしょうか。
そうですかそうですか。今後も応援します。

追記。
あっ。ほとんど顔を見せないお人形さんのようなお姉さん役をやっていたのもアナ・デ・アルマスなんですかっ。なんてこった。

このエントリーをはてなブックマークに追加

[広告]

コメント - “サイレント・ウェイ” への2件の返信

“サイレント・ウェイ” への2件の返信

  1. 映画を良くも悪くも語るけど、アンタの文章も大概雑だよ。面白くもないし、見た内容伝わらないし、語る前にもっと映画と文章を勉強しな。

    アンタみたいな生き物が作る映画って、どんなんだろうね?笑

    1. コメントありがとうございます。「Movie Booについて」をご覧ください。http://www.movieboo.org/about_movie_boo#i-15

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です