キカ

KIKA
ペドロ・アルモドバル監督1993年のハチャメチャクライムコメディ映画「キカ」観ました。メイキャップアーティストのやや年増女性キカの可愛らしい妙な映画です。目的はロッシ・デ・パルマでした。
キカ

ジュリエッタ」を観たときにお手伝いさんの役をやっていたロッシ・デ・パルマに今更大注目して、この女優が活躍しているという「キカ」をどうしても観たくて、それで観ました。

その前にやや古い「チル・アウト」を勘違いがもとでうっかり観ましたがうっかり観てよかったという面白映画だったのでそれはそれで幸せです。今回は「チル・アウト」とは無関係にペドロ・アルモドバルのちょっと古い映画です。

ロッシ・デ・パルマのことは今までも見ていたはずなんですが「ジュリエッタ」で老け込んだ役をやっていたこともあって目立っていて突如として大注目、以前の作品見たいよー、「神経衰弱ぎりぎりの女たち」か「キカ」見たいよーと駄々をこねていたら宅配のお兄さんが「キカ」を届けてくれました。

あれ?DVDのリリース日が2016年12月ってなってるけどリマスターだったですか?

キカ

まず「キカ」ですが、どんな映画かというと、そんなの一言で言えません。キカは女性でメイク屋さんです。この女性のキャラがぶっ飛んでいて面白くてかなりすごいです。このキカという女性の映画です。

作家と妻の子供

作家の妻が自殺してその子供がカメラマンのラモンというハンサム男です。キカはそのどちらとも関係を持ちます。なんせ関係持ちまくります。作家という男もやたらモテモテで、この男もやたら関係を持ちまくります。

テレビの人アンドレア

アンドレアは頬に傷のあるテレビの人です。「最悪事件」とかいう妙なドキュメンタリー番組の司会者で、自らロボのような格好をしてネタを追うパパラッチでもあります。役柄は変ですがこの映画の中で唯一の美女です。ちょっと今で言うとエレナ・アナヤに似たテイストの美女ですが変な人です。ラモンと過去何かあったらしいことを匂わせます。

劇中劇

この女がやってる番組が劇中劇として「キカ」内でたっぷり描かれます。

ペドロ・アルモドバル映画ではよく劇中劇が出てきます。書きかけの自伝小説だったり闘牛だったりピナ・バウシュだったりオカマの踊りだったり今撮っている映画だったり、とにかく劇中劇がよく登場してその描き方がかなり独特で面白いんですよね。魔力を秘めた劇中劇は本編に影響を及ぼし見ているものを欺きストーリーに混沌と波乱を与えます。

メイド

メイドのフアナは個性的なレズの女性です。ろくでもない弟もいます。このメイド役をロッシ・デ・パルマがやっていまして、これは当時話題沸騰だったでしょうねえ。まあみなさん、かなりの見応えがあります。まじすごいすこのひとは。ひとりで面白がっていても誰にも伝わりませんが、まあ細かい表情やちょっとした受け答えを見てのけぞりますから覚悟の程を。

時間がプツプツ飛ぶ

ペドロ・アルモドバル作品の特徴のひとつとして劇中劇を挙げました。もうひとつ、プツプツ飛ぶ時間軸ってのが特徴かと思っています。

よくわからないうちに数年後になったりしますね。「ジュリエッタ」も数年前になったりプツプツ時間が飛びます。

時間の経過とそれによる変化というものもアルモドバル映画ではよく出てくるテーマですね。「キカ」でも特に序盤にパッパッと時間が飛びます。置いていかれるような、人の人生の切り取り作業に立ち会っているような、不可思議な気持ちにさせてくれます。

面白い

1993年の映画にしてはちょっと古臭く感じる人ももしかしたらいるかもしれませんが、あれ?93年って、もうかなり昔と言っていいのか、そうでした。えーと、じゃあ、わりと古い映画ですね。でもね、おもろいです。

相当面白いシーンも目白押し、凄まじい会話もあり、事件も起きてちょっとシリアスになったりもします。いろいろ入ってます。

キカのキャラもすごくいいですし「そこまでやるかー」という脚本にしびれます。

個人的には、アンドレアの劇中劇、そしてロッシ・デ・パルマが最大の見どころです。ほんと、これ観てよかったですよ。たまらんですね。

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