みなさん、さようなら

Les Invasions barbares
みなさん、さようなら

素晴らしい人生

みなさん、さようなら

登場人物のすべてがいい味わいを持ったいい人たちです。
これは「美藝公」に通じる大人のインテリのユートピアの物語。
いい家族と友人に囲まれていい思いを抱きながら人生を閉じるという実はこれはファンタジーなのですね。
「私は好色な社会主義者だ」と言い放つ知的な世代が今はもう年寄りばかりになってしまったことにも気づかされます。
もちろん「美藝公」のように露骨に描かれることはありませんが「もう一つの現実」を目の当たりにするのが辛くなるほどです。
ええと、つまりですね。虚構の中は虚構のいい人たちの物語が進行します。現実の世界、つまりその映画を観ている私たちの現実世界ですね、「美藝公」では虚構の人物が、現実世界を「架空の物語上の世界」としてグロテスクに表現します。この映画は「美藝公」と違って、特に現実世界のことなどには言及しませんが、映画を観て良い気分になればなるほど、我々にとって現実世界の良くない部分が結果的に際だってしまう、という、そういう現象です。そこまで思わされるほど、この映画に登場する人々はいい人たちです。

ま、とにかく味わい深いインテリジェンス溢れる映画。「みなさん、さようなら」はとても良い映画です。映画っていいもんですね。

2003年アカデミー賞外国語映画賞
セザール賞作品賞・監督賞・脚本賞
カンヌ国際映画祭女優賞(マリ=ジョゼ・クローズ)・脚本賞

first appearance 2006.10.31

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