鬼畜

鬼畜
鬼畜

松本清張の原作。愛人が3人の子供を連れて押しかけてくる・・・

鬼畜

いやはや懐かしい映画を観ました。懐かしいと言ってもほとんど記憶がない。多分ちゃんと観ていないです。
公開当時は「鬼畜」という言葉が大流行、鬼畜鬼畜と騒ぎまくっていたものです。

さていい歳になって改めて鑑賞してみますと、悲哀に溺れて辛い気持ちになってきますね。丁稚奉公から高度成長と共に零細ながら事業主にまで上りつめ、いい気になって愛人などを囲って子供まで産ませます。でも零細企業でいい気になっていたことなど時代の波の中では小さな事、大手企業の躍進と不況が重なって息も絶え絶えです。とても愛人の面倒などみきれないし子供を育てることなど出来ません。つ、辛すぎる。現代と同じ貧困と格差の問題が表面化している頃です。
緒形拳の情けない男を演じる姿が痛々しいです。いい演技しますねえ。岩下志麻は怖いけどとても美しいです。北陸の夕焼けも美しいです。
子役の下手糞さも時代の特徴ですね。昔は子役なんてこの程度でした。「わーい」とか言って走ったりね。今時は子役の演技が上手すぎて気持ち悪いですよね。

もうひとつ、町並みや風俗が今見るとたいへんにノスタルジック。78年なんかちょっと前だと思っていましたが改めて見るとやっぱり古い世界ですねえ。「昔感」を漂わせています。
冒頭近くの町並みの中に「コンボイ」のポスターが貼ってありました。「コンボイ」なつかしい。観に行きましたよ。「死亡遊技」と「ドッキリボーイ窓拭き大騒動」との三本立てでしたが。
音楽の世界ではトーキングヘッズやポップグループが77年ですから、 時代というのは不思議なもんです。

子供時代は懐かしいものですが青春時代というのは恥ずかしいものです。でもさらに年寄りになるとそれすら懐かしくなってきます。
ついでに78年前後の映画を検索してみましたら「天国から来たチャンピオン」「チャイナ・シンドローム」「ナイル殺人事件」 「ミッドナイトエクスプレス」「名探偵再登場」「スーパーマン」「マジック」などなど、劇場の銀幕と共に青春の残骸が思い出されます。学校サボってまで映画館に行っていたなぁ懐かしいなぁそれにしてもこの頃観た映画ってよく覚えているもんだなぁと、おっと個人的感傷などどうでもよろしいですね。どうもすいません。このブログでも、いよいよネタが切れてきたらこういった古い映画も紹介しましょうかねえ。

さて、脱線は大概にして「鬼畜」ですが、ラストは原作にないエピソードを追加したものらしいです。鬼畜感は大きく失われますが、緒形拳演じる情けない男の悲哀をたっぷり表現できて、これはこれでいいんではないでしょうか。
子役に対する虐待シーンは今見るほうが強烈かもしれません。あんなシーン、今時撮ったら問題化しますね、きっと。岩下志麻の談によると、撮影を終えても子役が怖がって泣き、どうしても懐いてくれなかったそうです。かわいそうな子役、かわいそうな岩下志麻。そういう意味で、製作スタッフが真の鬼畜であると言えるかもしれません。

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