アウトレイジ

OUTRAGE
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やくざの内輪揉めを描くバイオレンスアクション。全員悪人。

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「全員悪人」とか言うから、どんな極悪人が登場するかと思ったら、これがまあ意外なことに非常に小市民的なせこい悪党どもの話で、かつて北野監督が描いてきた「冗談めかしながらも実に怖い人たち」との真逆、「怖い設定ながらも実におかしな人たち」を描きます。

やくざの話ですがその悪人ぶりは普遍的で、この話を例えば企業内政治に置き換えたり、映画や演劇業界に置き換えたりすることも可能です。腹の探り合い、出世の邪魔立て、厭らしい謀略、権力闘争と、筋立てはオーソドックスであり展開はむしろコミカルです。

「人を殺すプロセスを先に考え、それに対しストーリーを後付けした」と監督は語っているそうです。
一部のけぞるような残虐なシーンがあったり、どんどん人が死んだりしますが、人を殺すプロセスが中心の物語というより、怖さと可笑しさが同居した裏切りの展開を描いたストーリーテリングの妙技こそが見どころであると思います。

少し編集のくどさやまどろっこしさはありますが、ストーリー展開自体が主人公であると言えそうな例の系統です。シニカルでドライ、それにベタな味付けを付け加えたような人を食ったようなお話が展開します。

それともう一つは俳優たちですね。

いつもどこかでお目にかかる有名俳優たちが全員やくざに扮して死にまくるというこの映画は一種のバラエティ・ショーであり、皆が楽しそうに演じている姿はスタッフとキャストたちによるお祭りイベントに見えます。

とは言え、見ている間中は固唾を呑んだり笑いが出たりのけぞったりと、エンターテインメント作品として十分に面白い作品でした。
非常に真面目に期待値マックスで挑んだ人なんかは強く批判していたりされているようですね。まあそう怒らずに、気を抜いて楽しみましょうよとちょっと言いたい。

カンヌ国際映画祭に出品されましたが、ブーイングや退席者が出るなど不評も買ったようです。まあそうですね、なんだか人を小馬鹿にしたような映画ですからね。

北野作品としては珍しいことに「アウトレイジ2」が発表され、続編の製作が確定したそうです。

この映画にはその筋風の方々も観に来ていたのだとか
健さんや文ちゃんがいない今、彼らは飢えているのだ

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