ホーンテッド

The Abandoned
40年前の出生の秘密を探るために訪れたロシアの森の奥。怖い屋敷を探検します。
ホーンテッド

映画の冒頭は暴走するトラックに次いで、ロシアの田舎での家族の食事シーンです。この家族の食事シーンがこの映画中最も良いシーンでした。

トラックがこの家族の敷地内にがちゃりんこと止まり、中を覗くと母親が運転席で息絶え、ふたりの赤ん坊が泣いています。
それから40年。その赤ん坊のひとりが主人公女性ですね。どうやら養子にもらわれ外国で暮らしていましたがロシアの調査会社に呼ばれ、出生に関するできごとと屋敷を相続できることを告げられ、その屋敷に向かうことに・・・というようなお話です。

ホラー映画にもいろんな種類がありますが、個人的には荒削りなタイプを好んでいます。あまり乗れないのがアトラクション系というかメジャー系の作品で、セットや照明や撮影がちゃんとしすぎていたりシナリオが甘かったりするタイプです。

この作品はありがちな設定とシナリオの堂々ホラーですが、アーティスティックな渋い部分とアトラクション系の甘い部分が渾然一体となった、良く言えば意外な良作、悪く言えば陥りがちな中途半端な映画となっております。

序盤から中盤までは緊張感ありロシアの田舎の不気味さあり小道具のセンス良し風景描写綺麗で良し主人公が42歳女性と渋く攻めていて良しです。
お化け屋敷で知り合う男性も役どころがはっきりしない感じでこれも良い雰囲気で進行します。脚本全体もいいです。それほど奇をてらっているわけではないですが、出生の秘密に関する重々しい展開や、それからホラー映画らしいシーン毎の魅力もちゃんとあります。

ただ残念なのは、荒唐無稽さに説得力を持たせられないまま早い段階で「いっちゃった」ところです。よほど親切に見てあげないと馬鹿馬鹿しくなってきます。最後の最後ならともかく、中盤でのあの無茶苦茶な展開は子供だましレベルと言われても文句が言えないです。実に惜しい。

どうも気合いの入りすぎたこの手のホラー映画ってのは、あれもこれもといろんな要素を詰め込もうとしすぎてバラエティ・ショーのようになってしまいます。
まあ、そのバラエティ感のおかげでアメリカでもヒットしたようなので製作的には正しいかったんでしょうけど。

普通のバラエティ系アドベンチャーホラーとちょっと違う良いポイントは、森や風景の暗い美しさ、時々映るロシアの民芸品などの小物に味わいがあるところです。この映画はイギリス、スペイン、ブルガリアの製作になっていますが、主なテイストがスペイン、不気味な景色がブルガリア、そして照れや割り切りや喋りすぎや馬鹿馬鹿しさがイギリス風、と、そんなふうに出来ていると感じ取れます。

「ホーンテッド」なんていうどこかで聞いたような言葉の邦題が付いていますが原題は abandoned。捨てられた・放棄された、気ままな、恥知らずの、邪悪な、というような意味ですか。

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