チルド

Chill
なんか「チルド」っていうタイトルの映画があったので、ただそれだけの理由で観てみました。 スリラーホラーっぽい、身の丈の映画。
チルド

チルドっていうのはチルドレンクーデターを略してそう呼んできたわけです。関西弁の場合はルにアクセントが来ます。東京では大昔「チルドレン」と略されていたこともありましたが、やっぱりチルドに落ち着きました。東京弁ではチにアクセントが来ます。いやそれはいいけど、チルドレンクーデターって何やねんと多分人口の99%以上の人がそう思うはずです。大体私はチルドのバンマスなのでチルドって何って聞かれても恥ずかしそうに「なんでもありません」と言うだけなのでして、詳しくはチルドのサイトを見てもらえれば漫画や小説もあるので、あ、肝心の音楽がほとんどありませんが、まあ、そういうあの、歴史だけ長くて密度の薄い謎の少年楽団です。

そんなことはどうでもいいのですがどうでもいいわけでもありません。「チルド」という邦題が付いていただけの理由で受け狙いで観たわけでありますから。でもそんだけのことです。

ラヴクラフトの原作らしいです。
だから内容は、わりと破綻もなくちゃんとしています。ちょっと懐かしいような感じのスリラー&オカルトで、オーソドックスなような、なかなかいいストーリーです。

映画の出来映えは、そうですね、限りなく自主映画に近い低予算のがんばり映画のようです。お友達だけで仲良く撮ったのかな、と思ったりしましたが、案外そうでもなく、「ヘルレイザー」の女優さんや、最近の「ジャンゴ」にも出演している俳優さんが出ています。だから自主映画に近いのですけれど、やっぱりいわゆるB級の乱発映画のひとつです。そういうのを了解して観ると気軽で楽しいもんです。

普段立派な映画ばかり観ているので、こういう簡単な作りの映画を観ると、いろいろな意味で興味深いし、何かが学べるような気がします。そしてついでに、何か好ましいです。

演技や演出のいい加減さを悪い意味で捉えるのではなく、普段観ている立派な映画が如何に優れた演出や演技で出来ているかを痛感するんです。何やってるのかよくわからないシーンを見ながら、そうかー、こんなふうに撮ると何やってんのかよくわからないシーンになるんだなあとか思います。
ある会話があって一人が画面から退場し、残った人が何かやって倒れます。するとさっき退場した人が異変に気づいて駆け寄ってくるシーンがあります。観ていると、カメラの横で待機していた役者さんが「よし今だ」と画面内に登場する撮影景色が目に浮かびます。目に浮かばしちゃ駄目でしょうって思いますが、そういうのも何か微笑ましいのです。

思わず笑ってしまうようなコンピュータグラフィックスのシーンなどあって、昔懐かしウルトラQとか怪奇大作戦なんかを思い出します。全体的に微笑ましくかわいい映画でした。

この「チルド」って映画は、真面目に見るようなのじゃないですし、人によっては「なんだこの出来損ないは」と憤慨するかもしれませんので、とても人様にはお勧めできませんが、私はそれなりに楽しみました。B級テイストが問題なく楽しめる人にはよい一時をすごせるのではないでしょうか。わかりませんけど。

こんな変な映画まで仕入れてくれて字幕までつけてくれるとは、配給会社さん、ありがとう。

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