ジプシーのとき

ジプシーが出演しジプシーの言語をも採用したことでも話題だったエミール・クストリッツァ1988年の「ジプシーのとき」はいろんな意味でジプシーブームの先駆けでクストリッツァ史的にも重要な起点となった特別な一本。

シティ・オブ・ゴッド

リオデジャネイロのスラムを舞台にしたストリートチルドレンやギャングたちの抗争。貧困と暴力と麻薬。そして血の中の知力と文化。実話を元にした実録小説の映画化。

シークレット・オブ・モンスター

独裁者の幼年期を描くという映画「シークレット・オブ・モンスター」はブラディ・コーベット監督気合の一本です。最初興味ありませんでしたが興味が出てきたので観ました。この映画の感想、それはもういろいろ複雑です。

さらば、愛の言葉よ

ジャン=リュック・ゴダールの「さらば、愛の言葉よ」は言葉と音と映像の洪水で、もうこれがあれば3D映画は他にいらないんじゃないかという徹底的3Dでカッコ良さも爆発、2014年の映画界の奇跡にしてぶっ飛び映画史上に燦然と輝く映画の力と魔力。

サラの鍵

1942年、フランス警察によるユダヤ人一斉検挙の朝、少女サラは弟を納戸に隠して鍵をかけ、すぐに戻ると告げますがそのまま隔離され後に収容所に連れて行かれます。
一方現代、女性ジャーナリストが引っ越してこようとしているアパートに、かつてフランス当局によるホロコースト事件の被害者一家が住んでいたことを知り調査を開始。
少女サラの過酷な人生と、サラを探す女性ジャーナリストの人生。

さよなら子供たち

1944年。カトリック寄宿学校へ疎開してきている子供たちの物語。頭が良くて生意気でちょっとやさしいジュリアン・タンカンと新入りで謎めいたジャン・ボネとの反発と友情。ルイ・マルの自伝的映画。名作。

サマー・ヴェンデッタ

1960年に起きた未解決殺人事件を再確認しようと若者男女4人組が湖へやって来ます。そんでもって、案の定恐ろしい事が起きてくるというフィンランド映画祭で上映されたホラー・スリラー。「BODOM」こと「サマー・ヴェンデッタ」という映画です。

サベイランス

殺人事件の捜査のため田舎の警察へやってきたFBI捜査官のエリザベス(ジュリア・オーモンド)とサム(ビル・ブルマン)。悲惨な事件の生き残り三人にそれぞれ別室で事情聴取を行い、事件の全容を聞き出そうとする。

サプライズ

才能ありまくり「ビューティフル・ダイ」のアダム・ウインガード監督「サプライズ(You’re Next)」は2013年の秋に国内でも公開して話題沸騰のぶっ飛びの恐怖系スリラー。両親の結婚35周年を祝う別荘の晩餐会に襲いかかる覆面の殺人集団。優れた演出と抜群のセンスでわーわー見せます。

さすらいの女神たち

フランスでかつて有名だったプロデューサーのジョアキム(マチュー・アマルリック)が今ではアメリカでニュー・バーレスクのショーをプロデュースしておりまして、その彼がショーガールたちを引き連れて祖国フランスでのツアーを開始しています。

サスペリア・テルザ

イタリア、アメリカ製作によるダリオ・アルジェント師匠のホラー。「サスペリア」「インフェルノ」に続く魔女三部作の完結編と銘打っておりますがもちろん油断してはいけません。

さざなみ

結婚45周年の夫婦を描いた「さざなみ」は高齢化時代を見据えた新たな老人映画の地平。ゆれる夫婦の心を容赦なく表現するシャーロット・ランプリングとトム・コートネイの熱演に仰け反る同時代人続出。この世に老人などいない。老人など幻想にすぎない。

刺さった男

失業中の広告屋ロベルトが仕事を無心するも冷たくあしらわれ傷つき、やがて遺跡発掘現場をうろちょろしているとトラブルで転落、即死は免れますがたいへんな事故となってしまいます。アレックス・デ・ラ・イグレシア監督2012年の「刺さった男」は人間の尊厳と愛を描くソリッド・シチュエーション・串刺し・アクシデント・悲喜劇。これ凄くいい。

雑魚

冴えないチンピラが右往左往。汚いことやってでもビッグになってやるぜ重要人物になってやるぜと野心に満ちたチンピラ兄ちゃんだが所詮雑魚は雑魚なのか。スパニッシュノワール…というか何というか、独特のノリで進行するチンピラ物語、面白いよ、これ。

サウルの息子

ハンガリーのネメシュ・ラースロー監督が描くホロコースト。同胞のユダヤ人をガス室に送り込むゾンダーコマンドという任務につく男の驚異的な二日間を描く斬新で衝撃的な特別な作品。

サイレントヒル

「サイレントヒル」というのゲームを「ジェヴォーダンの獣」のクリストフ・ガンズが映画化。ジョデル・フェルランドがまだちょっと小さい頃に出演していると聞いて観てみました。

最初の人間

フランスで成功した作家が、フランスからの独立運動で紛争中のアルジェリアに帰郷、平和と共存を説き非難に晒されつつ母の元を訪ねます。作家コルムリと彼の幼少期のお話。カミュの自伝的遺作の映画化。知性と良心と苦悩の渾身の作。

最終爆笑計画

スペイン映画のためのスペイン映画パロディ映画、大ヒットしたいくつかの作品をベースに、スペイン映画ファンなら思わずにんまりの、力が抜けてお馬鹿で雑な(褒めことばです)その名も最終爆笑計画こと「スパニッシュムービー」

最後の賭け

若い女ベティと初老の男ヴィクトールは色仕掛けを使って金を盗む詐欺師のコンビ。次のカモはスイスに集まる歯医者たちだ、っていうんで乗り込みますがベティが打ち合わせにない男とこそこそ遭っております。クロード・シャブロル1997年の「最後の賭け」はコミカルタッチの詐欺師サスペンス劇場。

さあ帰ろう、ペダルをこいで

ブルガリアの近代史を背負う祖父と、共産党政権時代にドイツに移った娘夫婦の子、つまり孫の物語。

サーティーン みんなのしあわせ

不動産屋のセールスをしているおばちゃんが、ひょんなことから物件の一室で凄いものを手に入れ、それを巡ってアパートの住人との攻防が始まります。ブラックでコミカル、2000年「La Comunidat」(コミュニティ)というタイトルの傑作。

ザ・ロイヤル・テネンバウムズ

デビュー間もない頃から才能を発揮しまくっていたウェス・アンダーソン監督の長編三作目にあたる2001年「ザ・ロイヤル・テネンバウムズ」観ました。かつて天才ファミリーと脚光を浴びながらその後崩壊してしまった家族、20年後にまた家族としてやりなおそうではないかと策略を練る父親です。言うことなし。とことん面白い。

ザ・プレイヤー

映画スタジオの重役グリフィン・ミルに脅迫の絵はがきが届きます。きっと却下された脚本家の仕業だろう。。ロバート・アルトマンが贈るメタ映画の代表作。