獣は月夜に夢を見る

Når dyrene drømmer
寒そうな海沿いの小さな町で暮らす少女のお話です。体が動かない母親の面倒を見て、魚の加工工場で労働します。普通の少女ですが化物系でもあります。
獣は月夜に夢を見る

ヨナス・アレクサンダー・アーンビー監督の初長編映画だそうです。この監督、ラース・フォン・トリアーの映画で美術アシスタントをやっていた弟子のようなひとらしくて、そういえば「獣は月夜に夢を見る」のドラマ仕立ての部分がドグマ95っぽいところもあり、見ている時にちょっとトリアー監督のことを思い出したりしました。自然光によるナチュナルな画面や胸騒ぎを起こさせる職場の雰囲気なんかに現れていましたね。

ホラーというジャンルは自由の羽ばたく翼でありまして、様々な実験的な試みを許容します。ジャンルの融合や破壊はお手の物、なんでもOK何やってもよしです。デンマークっぽくドグマとホラーを組み合わせても面白いものが出来上がります。ここでまたドグマとホラーでドグラーとかホラーとドグマでホラーマとか新ジャンル名を言いたくなりますがそんなことは言いません。

女の子マリーを演じたソニア・スールという女優さんが、なんかナチュラルでとてもいい感じです。ホラーマにぴったりな風貌で生活感もあり内に秘めた怪しいものありです。しまったホラーマと書いてしまった。車椅子の母親を散歩に連れてったり食事を与えたりしますね。父親がいますがこの父親を演じた人はラース・ミケルセンという俳優で、マッツ・ミケルセンのお兄さんなのだとか。で、この父親と母親の関係ってのもいい感じです。

途中までのドラマ部分はほんとにいい感じなんですよ。やや後半のハッとするようなシーンなんかも力あります。ずっとのめり込んで観ていました。

でもですね、ちょっと最後のほうは少し残念なことになってきます。せっかくのホラーマが最後だけ影を潜めますね。しまったまたホラーマと書いてしまった。ちょっと日常から離れて映画的見せ場に終始してしまったように感じます。実に惜しい。

少女マリーにはダニエルという彼ができるわけですが、このダニエルの愛についてもドグラーらしくぐだぐだ説明せずに進行します。しまった今度はドグラーと書いてしまった。説明過多はいけませんが、ダニエルの愛についてはもう少し中ほどになんかあってもよかったのになあと素直にちょっと思いました。というのも、観ているこちらは彼のことを全く信用していなかったからです。

あんまり言うとネタバレすぎていけませんが、見終わって公式などを拝見したらそのままズバリ書いてあったので端から解禁してるんでしょうか、つまり「ぼくのエリ」を思い出すわけです。あちゃー。これ言って本当にいいの?

あまりにもズバリな「ぼくのエリ」発言ですね。これを言ってしまってはもう他に書くことありませんね。

ということで「獣は月夜に夢を見る」ですが、中盤まではほんとにいい感じです。最後のほうがちょっと気に入らないなんてのは個人的な感想で戯言に過ぎないと思っていただいて結構かと思います。ところでこれを書いている今は何十年に一度の月が近い日だそうです。でも昨夜は雨で今日は曇り。どんより。

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