バトルシップ

Battleship
宇宙人と兵隊が海で戦います。迫力のCGをたっぷり堪能できるアトラクションムービー。
バトルシップ

「バトルシップ」は想像していたようなシリアスな映画ではなくて、IQ低め(いい意味で)のドタバタ映画でした。軍人さんありがとう的な厭らしい側面もありません。かなり間抜けです。しかしその間抜けな話に大金かけてど派手な映像に仕上げてます。そこが面白いところです。CGの迫力凄いです。「どうせCGだろ」では済まされない面白映像がたっぷりです。まさにCGを見るための映画で、体感型アトラクションの一種。劇場で楽しむのが本来の楽しみ方でしょう。

とはいえ「アトラクションムービー=劇場で観る」という考えは「地味なドラマ=劇場で観ない」に通じるので、この考えはあまり好みではありません。だから家で観ます。

「バトルシップ」はバトルシップというゲームを原案にした映画だそうです。バトルシップというゲームは知りませんが、人の話の断片から察するに昔よく遊んだ「レーダー作戦ゲーム」と同じようなゲームっぽいです。「レーダー作戦ゲーム」の元ネタが「バトルシップ」というか。

つまり映画の企画として根本は「バトルシップ」の迫力CG化ということになりまして、そのためには海戦映画である必要があり、舞台は閉じていなければならず、戦争映画の泥臭さを消すためにも相手は宇宙人である必要がある、と、そのような順で考えられて作られた映画であろうと思われます。

さて、映画にとって掴みは大事で、近年の娯楽作品は冒頭に超絶面白シーンをまず持ってくるのが主流でありますが「バトルシップ」はあえて逆を行ってます。
冒頭数十分というか、長く感じたので時間はわかりませんが、主要登場人物の退屈なドラマを延々とやります。「5倍パワー」の宇宙電波の話や、設定不詳のバーのシーンや、サッカーのシーン、トイレの喧嘩、などです。小学生ドラマみたいなテイストで、あまりの退屈さに逃げ出したくなりますが我慢します。ここは観客の我慢をテストしています。

ただ面白いシーンもひとつあります。各国の言葉をつぶやく小ネタのシーンです。ジェシー・プレモンスが「日本はコンニチハ」「マレーシアはアロー、アロー」「オーストラリアはグッダイ」などとつぶやきます。「この映画はネタ満載のアホな映画ですよ」という作り手の密やかな宣言かもしれません。
もうひとつ一見SF映画ファンが喜びそうで実は喜ばない2001年的小ネタもありますが、こちらは面白くないので言及避けたいです。

宇宙から何かが飛んできて地球に激突するあたりからやっと本編が始まります。そこからは怒濤の展開でジェットコースターとなります。宇宙人の力を見せつけられる中盤までのCGが特に見応えあります。
突き刺さって数秒してから破裂する時間差爆弾は凄いアイデアです。あのわずかの間が恐怖を盛り上げます。もうひとつ「ワンダースリー」みたいなタイヤ型の凄い奴が破壊の限りを尽くします。
まあ、素直に面白いし迫力あります。

後半は戦って勝つだけですのでテンション下がりますがそれはお約束だから仕方ありません。最初に敵の強さを見せつけて「勝てっこない」と思わせておき、最後には「そんなアホな方法で勝てるんかいっ」と、きっちり落とす技法は昔から定番です。
これまで沢山の無敵の宇宙人が、風邪の菌で滅んだり、水鉄砲に弱かったり、宇宙人用Macのウィルスソフトにやられたり、訳のわからない理由で退散してきました。
この手のお話を考える人たちは、新たな脱力系の勝利方法を思いつくため知恵を絞ります。

肝心要のバトルシップ的(レーダー作戦ゲーム的)戦闘ですが、これは上手くいったんでしょうかどうでしょうか。ここを「そんな馬鹿な」と思わせないがために「そんな馬鹿な」を積み上げてきたお話です。効果あったんでしょうか。なかったんでしょうか。いずれにしても、面白い試みです。

全体的には子供向けの映画で、特にドラマ部分の類型化単純化がやや極端になっています。序盤とエンディング近くの意図的な安っぽさも極端で、ここまでくると「スターシップ・トゥルーパーズ」を彷彿とさせます。が、少なくとも表面的にはそういう作りではありません。批判や皮肉の映画ではなく、あくまでも素直な子たちが喜ぶように作られています。そこが捻くれ者にとっては面白くないところでしょうが、ただし作り手は明らかにふざけています。

また、「世界侵略:ロサンゼルス決戦」と少々雰囲気が似ていると思う人もいるかもしれません。確かに宇宙人をやっつける終盤近くの出鱈目さは似ていますが、それまでの綿密な描写や表現力は圧倒的に「世界侵略:ロサンゼルス決戦」に分がありますし、戦争そのものを描いたのかパズルゲームを映像化したのかという根本のところが大いに異なっておりますので比較として妥当ではないと考えます。

「バトルシップ」は派手なCGを堪能するためにあり、わーわー言いながらジェットコースターを楽しむ青少年たちのためにあります。年寄り臭い深読みも批判ももちろんツッコミも屁理屈も不要です。

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