トリコロールに燃えて

Head in the Clouds
第二次大戦前後のパリを主な舞台にした三人の男女10年間の愛の物語。上流階級育ちの享楽的美女ギルダ(シャーリーズ・セロン)、祖国の内戦状況に後ろ髪引かれるスペイン美女ミア(ペネロペ・クルス)、そして理想を求める男ガイ(スチュアート・タウンゼント)の三人が、歴史と戦乱に翻弄されながら愛と友情の物語を繰り広げます。
トリコロールに燃えて

美女なだけでなく壮絶演技力のシャーリーズ・セロンです。そしてペネロペ・クルスです。この二人が戦時のパリを舞台に愛の映画で共演と聞いて、ラブロマンス苦手ながら二人の美女の魅力に勝てず、ついに観ました。
はい女優が目的です。美女なだけでなく演技力が凄いだけじゃなく脱ぎっぷりも勇ましいシャーリーズ・セロンとペネロペ・クルスが夢の共演ですよ。ロマンスと友情と戦争とパリですよ。大作かつ名作映画の王道中の王道です。10年間にわたる男女三人物語。時を超え国を超えた愛と友情のドラマですよ。しかもですよ、シャーリーズ・セロンとペネロペ・クルスという二大美女の夢の(以下繰り返しにつき割愛)

失礼しました。取り乱しました。

冒頭は少女のギルダ(シャーリーズ・セロン)が手相を見てもらうシーンからです。占い師は「14歳で終わる・・」と「34歳の先はない」と告げるんですね。
ギルダは上流階級の奔放な人間ですが運命論者でもあり、自分の命は34歳までに終わると内心確信しています。だからこそ奔放で享楽的で生き急ぐような強烈な生き方をいたします。

パリに出たギルダは階級と裕福さと美貌と色仕掛けと奔放さでもって華やかな世界での成功を簡単に手に入れます。そこで知り合うのがスペイン美女ミア(ペネロペ・クルス)です。
ミアもギルダのおかげで華やかな暮らしを手に入れてますが内戦中の祖国スペインのことが頭から離れません。「祖国に帰って看護婦になりたい」という真面目で慈悲の心を持っているという良い役です。ミアが真面目なぶん、ギルダの無茶苦茶さがより強調されます。
この二人の超絶美女に挟まれた男ガイは育ちも地味で華やかな部分がなく取り柄と言えば男前で珍歩がでかいという、そういう男です。どういうわけかこのガイとギルダは腐れ縁でずっと愛し合っていたりします。やはり男は男前で珍歩がでかいというのがシャーリーズ・セロンに好かれる秘訣ですね。いいえ、文章の書き方に嫉妬など混ざっておりませんよ。

このガイのモノローグが物語り全体を包みますので彼が主人公っぽいのですが、でもどうみても狂言回しの役割です。真の主人公はギルダです。

放蕩で奔放で享楽的でアーティストで金持ちでずる賢く、常に身の置き所を直感的に判断する「人間昆虫記」的女、愛に自由で開放的ながら孤独で運命論者で悲観的、さらに超絶美女で可愛いところもあればメタクソ厳つい怖い顔もできて、内に秘めた激しさや意外な一面も持っているという、とても複雑な役です。しかもこの女性の10年間という時の経過を演じきるという、もはやシャーリーズ・セロン以外にこの役をこなせる人間はいないのではないかと思います。
「モンスター」も凄いのですが、シャーリーズ・セロン七変化という点でこの「トリコロールに燃えて」は彼女の代表作と言っていいのではないでしょうか。だめでしょうか。私気合い入れすぎですか。
あ。今気づきましたけど、これ「モンスター」の直後の映画じゃないですか。
モンスター」直後に「トリコロール」って、ちょっとシャーリーズさん、あなた凄すぎます。

ペネロペ・クルスはアンドロイドのような人工的絵画的スペイン美女で、登場してしばらくはその美しさと格好良さ全開であります。身のこなしや動きもさすが凄いです。人間美術作品という役柄と存在が同レベルなそういう役です。ところが話が進むにつれて人間味に溢れてきます。祖国スペインを思う真面目な部分が顔を出し、後半では珍しい疲れ顔ややつれっぷりも堪能できます。シャーリーズの七変化ほどではないにしろ、三変化ぐらいはこなしています。

男ガイは物語の途中から政治的な関心事に囚われはじめ、活動家になったりします。理想を求めて戦ったり、戦いが無益なものだと悟ったり、ゲリラ活動頑張ったりしますが、学生からおっさんまで、髭生やしたりして気合い入れて演じてますがまあ、男のことはこの際どうでもいいです(←こら)

映画全体としてですが、いい感じですよ。
最初から最後まで、スタイリッシュな構図やバックグラウンドミュージックで責め立てます。どのカットもお洒落でカッコいいです。ちょっとしつこいぐらい決まりすぎた構図と構成ですが、ぎりぎりのところで登場人物の魅力が勝っていますからあまり気になりません。
戦前・戦中のパリはノスタルジーを含めてレトロな美しさに満ちています。戦乱の時代も上っ面だけでない丁寧な描写がなされていて、リアルというのとは違いますが映画として古典的な名作映画っぽいちゃんとした撮り方がなされています。きわめて真っ当な大作映画です。ただし毒気があまりないとか、現代ならではの物足りなさもなくはないです。一部にでも強烈なシーンで観るものを震え上がらせるぐらいやっても良かったんじゃないかと思いますが、まあ無い物ねだりしても仕方ありません。

そうした中に現代的な要素があるのかというと、それは主人公3人の関係性の中にあったりします。単純な三角関係ではない愛の形がなかなかいいです。特にガイとミアの関係なんかは渋いです。この二人の友情がまたギルダの悲哀を引き立てます。

古典的な「戦争と愛の10年間」というこのテーマ自体がちょっと古くさく感じる人も多いだろうし、観る前に面倒臭そうと思う人もいるかもしれないし、観た人は観た人で深みが足りないとか、毒が足りないとか、そもそも愛の成立に説得力がないとか文句が出てくるかもしれないし、2004年の映画として難しいところもあったかもしれませんね。
女優ふたりの爆裂的魅力にコテンパンな私にとっては大満足でしたけど。

結論としましてはシャーリーズ・セロン凄すぎということで。

このエントリーをはてなブックマークに追加
コメント

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です

CAPTCHA