心霊ドクターと消された記憶

BACKTRACK
オーストラリアのホラー・ミステリー映画です。エイドリアン・ブロディが精神科医を演じます。途中までは面白いんですが、比較的どうでもいい映画の一つ。
心霊ドクターと消された記憶

エイドリアン・ブロディはさすがに演技も良いし、教授から「あの子の名前を言えるか?」と訊かれるシーンなんかはぐっとこみ上げるものもありますね。

どうやら最近娘を亡くしたようです。奥さんはショックで寝たきりに近い状態、旦那のエイドリアン・ブロディは精神科医で、仕方ないので仕事に励みます。

患者の話を適当に聞いて仕事をしているとある夜ひとりの少女がやってきて、とても怪しい素振りを見せます。「幽霊か」「幻覚か」となるわけですね。

そのあたりまではとても面白く観ることが出来ます。この後、早い段階で大きな展開をするんですが、その展開があまりにも大きいので「えっ。まだ映画にも人物にも馴染んでないよ。もうそんな展開持ってくんの?」とびっくりします。さらに「この後、この映画は何すんのさ」と不信感が芽生えます。

というのも、主人公精神科医の少年期のトラウマ系、都合良く記憶から消した系になるからです。さらに言うと、都合良く消した記憶が事件の要系で、精神分析的な説得力が全くなくただたんに観客に秘密にして制作陣だけがいい気になる記憶喪失系となります。記憶を消しといて徐々に小出しにするだけで映画を解決しようという技術的に感心しない脚本系ですね。系系言うなと。すいません。

で、あーあ。やっちまったかー。と、こうなりますね。さらに幻覚だか幽霊だかが飽きるほど出てくるし、さらには幽霊軍団の秘密の目的とか幽霊軍団のボスが脅迫ともヒントとも取れる話をどんどんしてくるし、なんだかとっても馬鹿らしいことになってまいります。

挙げ句の果てにどうなるかというと安いアクション映画みたいになって、私でなくても「はぁ?」となるでしょう。

ちょっと呆れたので公式サイトを見てみたらさらに呆れます。なんと、映画の大半をあらすじとして紹介してしまっているではないですか。

ずっと前に見た「ブラインドネス」という名作映画があって、その映画の最後のほうで目が見えるようになった伊勢谷友介さんが「全部見える!」っていうセリフがあるんですよ。あれ見て以来ね、映画部で流行語でして「全部見える!」とか「全部食べる!」とか言って遊んでます。それで、「心霊ドクター」の公式見て「全部見える!」と叫びますね。

公式見たらどうなりますか。前半まったく無意味。途中の大展開も「知ってた」で完全無意味、その後のお話も「知ってた」で無意味、最後の最後のアクション展開だけ「おおっ」と見ろと。そう言ってますか。あのな。舐めとんのか。

前半が面白かったのは気のせいだったかと残念に思いました。「ジャケット」の最後と同じような感想です。「ジャケット」はラストだけが酷くて9割いい映画だったんで比較するのは気が引けますが。

ただ、この映画の名誉のために言いますけど、途中まではとても面白いし良い出来ですよ。悪い映画じゃないです。もちろん嫌いじゃありません。ちょっと残念系なだけです。系と言うな。すいません。

公式はちょっと酷すぎました。でも世の中には映画の筋を全部知った上で、感動ポイントがどこかも全部教えてもらって、その上でしか観ない、という変わった人もいるそうですからどう感じるかは人それぞれですね。昔HyperCardのStackに「いろんな人がいる」という名作がありました。「いろんな人がいる」いい言葉です。

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