ちょっとした映画メモ、随分久しぶりの更新ですが気にせずいきます。
希望の灯り
ドイツの比較的若手注目監督トーマス・ステューバーによる働く人の映画。「2001年宇宙の旅」風だったりあるいはアキ・カウリスマキ風だったりする謎の予告編で興味が湧き上がりますね。
主演のお兄さんはミヒャエル・ハネケ「ハッピー・エンド」で印象深かったフランツ・ロゴフスキで、クリスティアン・ペッツォルト監督による「未来を乗り換えた男」でも主演をやっていました。旬のドイツ俳優です。
4月から順次公開。
未来を乗り換えた男
そんなわけで「あの日のように抱きしめて」のクリスティアン・ペッツォルト監督の「未来を乗り換えた男」は2019年の1月から公開して順次ドサ回り、どうせ地元では春か夏頃だろうと舐めていたらいつの間にか公開して終わっていました。
近年、名画座というものが絶滅の危機に瀕し、見逃した映画を劇場で見る機会が失われてしまっております。名画座がないので、じゃあディスクや配信が名画座の代わりになっているのかというと全然そんなことなくて、発売が公開から随分経って大半の興味が失われたあとだったりします。まだ業界の誰もが過渡期にどうすればいいのか分からない状態のまま迷走中です。
未来を乗り換えた男」 公式サイト
天国でまた会おう
「今やっていたり」とか言いながら公開が終わってしまった映画ばかりですが。「天国でまた会おう」を見逃したことも大変後悔しとります。最終日に「ROMA」を観たとき、同日に「天国でまた会おう」も最終日だったと知りました。好き好きテイスト満載っぽいので楽しみにしてたんだけどなあ。もうちょっと長くちゃんとやってくれてたらなー。
正直いいますと「ROMA」か「天国でまた会おう」かどっちか選ぶとき、公式サイトの出来の悪さで「ROMA」に軍配が上がってしまったんですねえ。この公式の雑でメジャー映画ぶりっこの作りが不信感を与えたのですが、そんなものに影響を受けてしまうなんて私駄目すぎます。
公式サイトによりますとぎりぎりまだ公開している劇場もあります。人生に悔いのないように、興味を持ったら観るべし。
ROMA
そんなわけで2018年にネット配信だけされていたアルフォンソ・キュアロン監督の「ROMA」ですが、あまりの出来の良さに劇場公開され、あっ、これもぎりぎりまだどこかでは劇場公開してますね。これ劇場で観るとビビりますよ。マジで。音とか。劇場って映像綺麗もありますがなんてったってサウンドですよ。こればかりはホームシアターではまったく再現できない劇場ならではの醍醐味です。あっちこっちから聞こえる生活音や街の音やささやかな声に痺れまくります。素晴らしい映画。
セメントの記憶
この映画は働く人のドキュメンタリー映画ですが、ただのはたらくおじさんとはわけが違います。断言してますが観てませんけど。でも凄そうです。働く人映画に目がない上に民族派好色左翼で社会脱落駄目人間のMovieboo著者にとってツボすぎる映画のようです。我が地元でも間もなく公開予定。
これは予告編と公式の情報で痺れまくります。3月に公開され、監督は来日もされていたんですね。まだこれから劇場が拡大していってくれるはずです。
主戦場
社会派にとっての注目といえばもう一つドキュメンタリー映画「主戦場」があります。
日系アメリカ人のミキ・デザキ氏という方が監督した慰安婦問題の映画。めちゃ興味ありましたが櫻井よしこやケント・ギルバートなどの醜悪な連中も大写しになるということで気持ち悪くて観る気ありませんでした。が、どうも内容がかなり面白そうなので興味はありありです。劇場もいいですがこういうのこそ配信とかで観たい気がします。山脈とか水脈とかいうおばはんのアップを劇場で見て吐かない自信があれば集中できるので劇場でぜひどうぞ。
サタンタンゴ
今年2019年の1月にタル・ベーラ監督の「サタンタンゴ」上映会のニュースがありました。数少ないタル・ベーラ作品の中でも極めて観ることが難しい「サタンタンゴ」で、タル・ベーラー(タル・ベーラのファン)でなくても注目のニュースでした。というのも「サタンタンゴ」は7時間18分ある映画なんですねー。
1月のニュースだったので、もう上映終わってるかなと思っていたら日本では2019年9月に公開されるのですね。9月ですか。もう今年も終わり、この世も終わりですね。
伝説の7時間18分――タル・ベーラの傑作「サタンタンゴ」初の劇場公開決定!-eiga.com
劇場で堪能したい気持ちはやまやまですが、7時間をどういう時間割で上映するのか、タバコ休憩あるのか、そのへんにかかっています。喫煙環境に期待できないなら無理です。ディスクで発売とかあるんでしょうかどうでしょうか。タル・ベーラはフィルムの終焉が映画の終わりであると引退するくらいの人ですからディスクでの発売は難しいかもしれませんね。でもそんな頑固監督も4Kデジタル化にOKだしたことから、引退したあと人間が丸くなって「何でもいいよー」とか緩い人になってたり・・・・してるとも思いにくいが。
DER GOLDENE HANDSCHUH
ファティ・アキン監督の新作です。予告編が解禁されて速攻で見て「来たー。来たー」と大騒ぎしたたいそう面白そうな映画ですよ。
こないだ「女は二度、決断する」が好評だったファティ・アキン監督ですが、うっかりするとファティ・アキン作品ということを忘れてしまいそうなちょっと毛色の変わった作風でしたね。新作「DER GOLDENE HANDSCHUH」はどんなでしょうか、登場人物が魅力的すぎてヤバいです。ホラーというか殺人者的な映画ですか。トリアーの新作も殺人者でしたよね。いえ別にトリアーとの共通点とかどうでもいいですが、配給さん、いそいでー。
というわけで日本で公開されるのはまだまだ遙か先っぽいです。公開されるでしょうか。
イメージの本
ジャン・リュック・ゴダールの最新作は映像・音楽・言葉・美術のコラージュでアーカイブの重要性を剥き出しにした傑作でパルムドールを超越するとしてスペシャル・パルムドールを受賞。いよいよ日本で公開されます。
ビアンカ・オーバースタディ
筒井康隆氏がラノベを書いたと大騒ぎになった「ビアンカ・オーバースタディ」の映画化が決定したみたいです。ななななんと監督は友松直之氏ではありませんか。わおっ。これは大事件。これはもの凄いことです。友松監督も猛烈な筒井読者だったそうで、それはこれまで観てきた数々の作品での言葉の使い方やぶっ飛んだ発想で十分わかりますね。注目します。
筒井康隆原作「ビアンカ・オーバースタディ」を学園SF劇場用実写映画として制作準備中。メインキャストを含む出演者を募集。18歳未満(高校在学中)の応募者は保護者の同意が必要。HPの応募フォームよりご応募を。演技ワークショップ開催。クラウドファンディング受付中。https://t.co/Lz9v4LaKpI pic.twitter.com/H9v1JLV1mE
— 友松直之@俳優募集中 (@ntomomatu) 2019年3月18日
φonon 2days 2eras
さて最後はそれとなく映画と関係のないイベントを載せておくわけですが、Movieboo筆者も出演するイベントです。
2019年4月30日と5月2日の2days。4月30日はDOMMUNEでのトークとライブ、5月2日は神楽音でのライブです。
ノイズとエレクトロとアンビエントのφononレーベルのショーケース的イベントで、MovieBoo筆者は「BaBaQue」というアルバムを出していることもあり、出演します。是非どうぞ。
問い合わせ:φononmailto:sp4non@gmail.com
φonon オフィシャルサイト:http://www.slogan.co.jp/skatingpears/